介護福祉士になるための実務経験ルートとは?

国家資格となる介護福祉士を取得するためには、大きく分けると高校や福祉系専門学校などの教育機関を経て資格取得を目指すルートと、実務経験を積みながら資格取得を目指すルートがあります。
今回は、そのルートの中でも介護の現場で経験を積みながら資格取得が目指せる、実務経験ルートについてまとめました。

教育機関・専門学校などを利用するルートとは?

・福祉系高校ルート
福祉系高校ルートは2008年度以前の入学生は、卒業後に筆記試験に合格した後,実技試験に合格すれば介護福祉士の資格取得が可能でしたが。2009年度以降の入学生に関しては、「介護技術講習」を受講して卒業後に実務経験が9か月以上あり筆記試験に合格すれば実技試験免除で介護福祉士の資格取得が可能になりました。

・介護福祉士養成校ルート
2016年度までは、卒業と同時に介護福祉士の資格が取得できましたが、平成29年度(第30回)からは、保育士養成施設、社会福祉士養成施設、福祉系大学、介護福祉士養成施設等を経て1年間の介護施設での実務経験があれば実技試験免除となり、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができるようになりました。

■介護の実務経験を経て介護福祉士を目指す実務経験ルート

実務経験ルートでの資格取得を目指す場合、介護職としての実務を経験し、対象となる介護施設において、

・介護実務者研修を終了していること
・介護福祉士国家試験の前日までに3年の実務経験
・従業期間=1095日以上(土日祝祭日含む)
 ※従業期間とは、実務期間内で病休や産休などの休職期間が含まれる。
・従事日時=540日以上(従業期間中の本人休業日除く)
※従事日数とは、3年以上の実務経験日数で、有給休暇、特別休暇、研修等を除き、実際に介護の仕事に従事した日数。

以上のような、介護実務に従事した経験をもって介護福祉士国家試験の受験要件となります。
費用をかけることで、資格取得までの期間を短くすることが可能な教育機関・専門学校ルートと、介護の現場で多くの経験を積み重ねることで、より深く業務を理解しながら資格取得を目指す実務経験ルート。どちらも資格取得を目指すという点において違いはないものの、そのプロセスは大きく異なります。

まとめ

介護福祉士を目指す場合、実務者ルートはその資格取得要件を満たすまでの期間が長いというデメリットは確かにありますが、近年の介護・福祉ニーズの多様化・高度化を考えた場合、より現場に近い環境で知識や経験を蓄え、より多くの介護ニーズに触れることで、介護者に寄り沿った介護福祉士を目指せるルートといえるでしょう。