STの資格は独占業務資格ではない!?

ST(言語聴覚士)の資格は国家資格で、名称独占資格であるため、「言語聴覚士」と名乗って仕事をするためには、STの国家試験に合格して免許を取得していなければなりません。
しかし、STの資格は業務独占資格ではありません。そのため、業務に関しては法律上資格がなければいけないというわけではありません。
では、STの資格がない人でも言語聴覚士と同様の仕事に就くことは可能なのでしょうか?

・STの資格なしでも働ける!?

STは業務独占資格ではないため資格を持っていなくても業務は行えます。しかし、医療現場や福祉施設、介護施設で資格を持たずに働いている人はほとんどいません。
各施設の採用募集に関しても、STの国家資格取得者を前提に募集していることの方が多く、勤務先を探すことも難しいでしょう。

病院の中には国家試験を目指して勉強しており、今は無資格者という人を採用するケースもあるようですが、資格を取得しているSTと同様の業務を行えることは期待できません。そして、その場合でも、あくまでも資格をとることが前提での採用です。

また介護業界では、嚥下障がいの防止やリハビリの一部を介護スタッフが行うこともあるかもしれませんが、介護的要素が強く、STの業務として行っている意識はほとんどないでしょう。
このようにSTの資格は独占業務資格ではないとはいえ、専門性が高く、知識も技術も求められるのでSTの専門レベルで仕事を行うことを望むのであれば資格をとることは必須となってきます。

・業務を分担できるのはSTにとってメリット!?

STの国家資格がない人がSTの業務を行う仕事に就くのは難しいかもしれませんが、同じ職場で働く看護師が業務を手伝ったり分担したりすることは出来ます。

そして、業務を分担できることは、STにとって大抵の場合メリットとなります。というのも、STが働く職場には複数のSTが在籍しているということはほとんど無いため、ST一人に対する仕事量が多く忙しくなってしまいます。

そのため、看護師などの医療チーム内で分担して業務が行えるのであればSTの負担は軽くなります。これは、医療の専門的な知識を既に持っており、しかもチームとして働いているスタッフだからこそ出来る業務といえます。

・まとめ

STは国家資格で、言語聴覚士と名乗って仕事をするために必要な名称独占資格ではありますが、業務独占資格ではないので、資格保有者でなければ業務を行えないというわけではありません。
それでも、資格が無ければ、言語聴覚士と同様の業務に携わることはほとんど出来ません。そのため、国家資格取得は必須となります。

しかし、既にSTとして働いている人にとってはチームスタッフと業務を分担して効率良く仕事が行えるので、独占業務資格ではないことがメリットとなっています。