言語聴覚士が抱える問題と対処法~やる気を引き出す手法とは?~

病気やケガまたは、脳血管障がいなどが原因で失語症になり「話す」「聞くこと」「書くこと」「読むこと」が難しくなったなどの障がいを持った患者さんのリハビリをおこなうため、どの様な関りをしているのでしょうか。
失語症の事例を通して、リハビリをおこなう際の言語聴覚士が抱える問題や対応方法について考えてみましょう。

失語症による心理状態と問題

失語症などの障がいになった場合、急なことでショックが大きく、なかなか立ち直れないものです。自分の障害を受け入れるまで、長い時間と周りのサポートが必要になります。
また、言葉が話せないことで、相手に自分が言いたいことや気持ちが伝わらない、意思の疎通がうまくとれない「もどかしさ」から、「イライラ」したり自己否定したりすることもあります。

失語症は話すことに障がいが生じ、話し相手とのコミュニケーションがとるのが困難だということで、患者さんにとっては精神的や身体的にもとても苦痛を感じるものです。

リハビリに対する意欲が低下した患者さんへの対処法

患者さん本人は、自分の障がいを受け入れることができずに、リハビリに抵抗を感じている方に対して、言語聴覚士はどのように患者さんにやる気を起こさせ、意欲を高めるための取り組み方をおこなっているのか紹介しましょう。

【対処法1】本人にリハビリの内容を理解しておこなう
患者さんの心身の状態を評価して、本人にあった無理のないよう長期的な目標を設定して、患者さんにもリハビリの必要性や訓練のプログラムの内容を理解してもらい実施します。

【対処法2】言語聴覚士と他職種の連携
リハビリの成果は、なかなか短期間では出ないのです。患者さんも焦ってリハビリへの意欲をなくすこともありますが、言語聴覚士以外の家族や看護師・作業療法士・理学療法士などと連携をとりながら、励ましフォローすることで本人のやる気を引き出すことが大切です。

【対処法3】信頼関係の構築
言語聴覚士がいくら評価に沿った良いリハビリを実施していても、うまくコミュニケーションがとれないと言語聴覚士に対してや訓練への不満、不信感が生じて、意欲低下につながりかねません。
リハビリをおこなう際に最も重要なのが、患者さんとの信頼関係でしょう。

まとめ

言語聴覚士はリハビリをするうえで、さまざまな困難な事例もあることでしょうが、障がいのある患者さんと向き合い、寄り添いましょう。
時には患者さんが焦り、投げやりな態度をとることもあると思いますが、辛抱強くコミュニケーションをとりながら理解してもらい、精神的な支えとなってリハビリを継続していくことが重要です。