身体の機能回復 血行促進でおこる効果は?

全身をくまなくめぐっている血液は、体を性状に保つためにいろんな働きをしています。単純に栄養を届けるという役割だけではなく、体の中にたまった老廃物や二酸化炭素を排出するために欠かせないのが血行です。
疲れやすい、冷えやすい、肌が乾燥する…このような症状は血行促進することで解消できるかもしれません。


○体の不調は血行の悪さが原因かも
肩こりや首の痛み、足のだるさといった日常的な体の不調が、もはや当たり前になっていませんか。デスクワークが続いてパソコンに向かう時間が長くなると、肩が重くなって次第に背中や腰が固まった様に動かしづらくなります。
このような症状は、仕事や作業に集中するあまり、同じ姿勢をとり続けて動かなくなることが原因です。では、体を動かさなければどうして痛みや硬直が起こるのか…これがまさに血行不良によるものです。
歩く・伸びる・しゃがむといった動作をすれば、筋肉や腱が伸縮して刺激となり、血流が起こります。血行が良くなれば、前述したような痛みやこわばりは起こりにくいでしょう。
簡単なことにも思われがちですが、とても効果的なケア方法です。

 
○ケアも重要 血行を促進して疲労回復
継続して運動を行っている人は、少しの運動で疲れたり、張りを感じたりすることは無いでしょう。しかし、普段の生活であまり動かない人や、運動をしていない人は、急に激しい運動をすると筋肉や筋が張って、はれぼったく、痛みや重みを感じるでしょう。
筋肉痛は、普段から筋肉を刺激しておらず、疲労物質が血管にたまった状態のときに起こります。体を動かした後は、やさしく血行を促して、運動によってたまった老廃物を押し流して上げると、痛みやこわばりは解消されます。
ただ、痛いところをぐいぐいと押すだけでは効果が上がりません。体内の老廃物は、リンパに沿ってリンパ節に向かって押し流すように心がけましょう。
手で少しだけ強めにさする様にして、上半身ならわきの下、下半身は大腿部付け根部分に向かって一方向に流すようにして、手でさすります。

 
○簡単なストレッチで血行促進
普段思い通りに運動できず、足や手先が冷えてしまう高齢者や寝たきりの人、感覚の麻痺がある人は、冷えた部分を覆うようにしてさすったり、適度に暖めたりすると、血管が広がって血行促進しやすくなります。
ストレッチやマッサージをするときに、痛みやこわばりを解消しようとして強く押すと、毛細血管が切れやすく、血流を絶ってしまうため逆効果です。
マッサージをする人は、手の平全体を使って(指で押そうとすると点の圧が高くなって、過度に力が掛かってしまいます)、やさしく滑らせるようにするだけで血行促進に効果があります。
直接肌に手で触れてマッサージをすると、摩擦が刺激になってしまいます。高齢者は特に、肌が乾燥してしわが多くなりますので、さすり続けると皮膚を傷めてしまうこともあります。
タオルなどでその箇所を覆い、その上からマッサージや軽い膝の曲げ伸ばしする補助を行ってみましょう(ふくらはぎを刺激して血行アップをねらいましょう)。