更衣介助の際に焦らないためのポイント

更衣介助が苦手ですか?更衣介助の際は要介助者に意識を向けることが大切です。衣服の着脱にばかり意識を集中させすぎると焦りが生まれ、転倒事故などの遠因にもなり得ます。
この記事では更衣介助の注意事項を押さえ、焦らないために必要なポイントを解説いたします。

更衣介助の基本

更衣の際はご本人を傷つけてしまわないよう、手の平や腕、身体を使うように留意することが基本です。焦るあまり力を入れすぎてしまうと、ご本人や衣服に思わぬダメージを与えてしまうことがあります。

たとえば指先に力を入れすぎることは、内出血や表皮剥離の原因につながる可能性があります。そこで、いざという時に慌ててしまわない為にも、基本となる点を押さえておくことが重要です。

重要なポイントを、しっかりと押さえておけば、心配な点も減り心に余裕が生まれます。次に挙げる3つのポイントに注意し、冷静な気持ちで介助を行いましょう。

衣服の扱い方

衣類を強く引っ張ってしまうと、要介助者の皮膚を傷つけてしまったり、衣服が引っかかって破けてしまったりする恐れがあります。上着の袖やズボンのすそは小さめにまくり、布地で皮膚をこすらないように注意しましょう。

また、手足を通す際は爪を引っかけないように気をつけることが大切です。日頃から爪をしっかり切っておくなど、気を配りましょう。

身体の動かし方

身体の状況は様々ですので、要介助者の身体の可動範囲を把握した上で介助に臨みましょう。無理に身体を動かすと、関節を痛めてしまったり、骨折の原因になってしまったりする可能性もあります。

特に麻痺のある方の場合、上着を無理に引っ張ってしまうと、肩を脱臼する可能性さえあります。また、側臥位で麻痺している側を下にする際は、腕を前に出し、体の下に入ってしまわないように注意しましょう。

更衣後の衣服の整え方

衣服は正しく整えた状態でないと、見栄えがしないというだけではなく、着心地の悪さ、不快感の原因にもなります。

また、「ねじれ」や「しわ」ができていると、身体の一部を圧迫することで血流が悪くなり、皮膚や体内に悪影響を及ぼすこともあります。特に以下の6点には注意が必要です。

・上着がズボンの中に引っかかっている

・衣服が身体の中心線からずれている

・袖に「より」が入っている

・えりが立っている

・ズボンが足の先まで下り切っていない

・ズボンが股に食い込んでいる

これらの状態になってしまっていないかを十分確認し、状況をつぶさに観察しながら着脱に当たりましょう。

まとめ

介助の目的は要介助者との触れ合いや支え合いです。上記のポイントをしっかりとつかんでおけば、更衣時に焦りを生むリスクは軽減でき、重大な事故を未然に防ぐことが可能となります。
相手は人間であることを意識し、寄り添いの精神で介助に当たることが何よりも重要です。