ケアマネジャーの役割とは?ケアマネジャーになるためには?

様々な介護施設や地域包括センターに「ケアマネジャー」と言われる人達が在籍しています。ヘルパーと言われる介護職員と同様、介護業界ではよく耳にする職業ですが、その役割についてはあまり知られていないかもしれません。ケアマネジャーは、介護業界でどんな役割を担っているのでしょうか?

・ケアマネジャーの役割

介護保険法の第七条第五項によると、ケアマネジャー(介護支援専門員)は「要介護者又は要支援者からの相談に応じるとともに、要介護者又は要支援者が心身の状況に応じて適切なサービスを受けられるよう、市 町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う者であって、要介護者又は要支援者が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する 専門的知識及び技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けた者。」と定義されています。

要介護認定を受けた利用者さんが、介護サービスを受け始めるには、ケアマネジャーに依頼してケアプランを作成してもらわなければいけません。要介護者にとって、介護サービスの窓口とも言える役割をケアマネジャーは担っているのです。
そのためケアマネジャーは居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、グループホーム、短期入所生活介護事業所など幅広い介護施設に在籍しており、要介護者のケアプランを作成しています。
ケアプランを委託業務として行っているケアマネジャーもいます。要介護者にとって、このケアプランが介護サービスを受ける基本となり、事業所や施設、またそこで働く介護職員もこれを基にサービスを提供することになるので、とても重要な役割を担うことになります。

・ケアマネジャーになるための資格

ケアマネジャーと呼ばれていますが、ケアマネジャー試験というものがあるのではなく、「介護支援専門員」の資格を取得した人が、ケアマネジャーとして働くことができます。
この資格を取得するためには、まず「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。そして、その後「介護支援専門員実務研修」で32時間以上の研修の受講とレポートの提出が必要となります。
これら全過程を修了した後に、各都道府県に登録申請を提出し、都道府県知事から介護支援専門員証が交付されてはじめてケアマネジャーとしての資格を取得することができるのです。

ケアマネジャーになるための介護支援専門員試験は、国家資格ではありませんが、一定の実務経験が必要ですし、ケアマネジャーの質を向上させるという目的で、年々難しくなっている傾向があり、介護関係の資格ではレベルの高い資格といえます。

・「ケアマネジャー」と「ケアマネージャー」どっちが正解?

ここでは、「ケアマネジャー」として記載してきましたが、中には「ケアマネージャー」と表記されているものもあります。
しかし正式には長音符を入れない「ケアマネジャー」が正式です。発音方法がマネージャーと伸ばして言われるために、勘違いしてケアマネージャーとしている人が多く、実際にこの呼び方が浸透してしまっています。また、介護業界では「ケアマネ」と省略して呼ばれています。
しかも、上記で取り上げた通り資格においては、ケアマネジャーではなく介護支援専門員が正式名称です。普段の会話ではケアマネージャーやケアマネで問題ありませんが、面接や履歴書などの際にはケアマネジャーという正式名称を用いて間違いのないように注意しておきましょう。

・まとめ

ケアマネジャーは、要介護者にとって介護サービスを受けるための窓口でもあり、事業所や介護職員も、そのケアプランを基に介護サービスを提供するので、要介護者が適切な介護サービスを受けられるかは、ケアマネジャーのケアプランにかかっているとも言えます。
既に、介護職員として経験を積んできた人もケアマネジャーになるためには、介護支援専門員の資格試験に合格し、実務者研修も修了しなければいけません。
ケアマネジャーの質を向上させるために資格試験は難易度を上げておりハードルの高い資格と感じるかもしれませんが、資格を取得してケアマネジャーになることは、各事業所に必要な人材でもあり、介護サービスの重要な役割を担う、やりがいのある仕事といえるでしょう。