介護職のケアマネジャーは医療職の看護師との連携が重要!

他職種との連携

医療業界と介護業界は切っても切り離せない関係にあります。そこで働く人たちも同様です。例えば、介護職のケアマネジャーと医療業界で働く看護師も深く関わっています。どのような関係を築いているのでしょうか?

・ケアマネジャーがより介護の専門職に!

数年前まで、ケアマネジャーになるための介護支援専門員の資格保有者の多くは看護師で、平成15年の時点で介護支援専門員の資格保有者の30.4%は看護師でしたが、平成27年の調査報告によると9.6%と大幅に減少しています。
それに対し、介護福祉士は平成15年では、32.6%だったのが、平成27年には59.3%と増加しています。これは、介護保険法の見直しや、介護職のキャリアパス制度が制定されキャリアアップの道が一本化し明確になったためと言えるでしょう。
看護師が関わっていた分野が、より介護の専門分野で扱われるようになり、ケアマネジャーという役割が明確になっていること、ケアマネジャーの質が向上している証拠となっています。

・看護師とケアマネジャーの関係

ケアマネジャーは、月に1回や、半年に1回、利用者さんの状態の変化や、新しい課題を把握するために医療関係者や、時には利用者さん本人やそのご家族と集まり、カンファレンス(会議)を行います。
厚生労働省の調べによると、そのカンファレンスに参加する病院などの医療機関側からは、医師が参加する割合が56.4%に対し、看護師は93%と高く、看護師がケアマネジャーと深く関わっていることが分かります。
ケアプランの作成や変更にあたり、訪問看護師に意見を求めているケアマネジャーも多く、ケアマネジャーの経験年数が1年未満は68.6%、経験年数が5年以上では86.5%と、ケアマネジャーの経験を積むほど、看護師との連携の大切さを実感している人が多いことが分かります。
ケアマネジャーとしての介護の質やキャリアアップが向上しているとはいえ、介護と医療の連携が重要な役割を占めているといえるでしょう。

・まとめ

数年前までは、看護師が要介護者のケアプランを作成する役割を担うケアマネジャーを兼任している場合が多かったですが、最近は、介護保険制度の改正や介護キャリアパスによって介護職のキャリアアップや仕事内容が明確になり、介護の分野とも言えるケアプランの作成は、介護福祉士といった介護職の人が兼任するようになりました。
ある調査によると看護師とケアマネジャーを兼任している人に比べ、介護系の資格を所有しているケアマネジャーは主治医との連携を取りにくいと感じている人が全体の半数もいるようです。
その反面、主治医と連携がとれない場合でも、経験を積んだケアマネジャーは積極的に看護師にケアプランを立てる際の意見を求めるなど、医療関係者と上手く連携をとっています。
ケアマネジャーと看護師、主治医など介護職員と医療職員が積極的に連携をとることが、要介護者へのより良い介護、介護の質の向上につながると言えるようです。