血流をよくするためには 「食べ物をどう摂るか」が大切

血行が悪い人は、「体の冷え」「頭痛」など慢性的な体の不調を感じやすくなります。手や足先の冷たさは、外気や季節に関係なく起こります。夏の暑い日でも足先がひんやりして、靴下を履かねば寝られないという人もいるほど。血流が改善されれば、体の冷えも良くなります。そして、手軽に取り入れることができる血流改善の方法が「食への見直し」なのです。

○きちんと噛んで食べることが基本

血流を良くするために、さまざまな食材や調理法が紹介されていますが、まずは、一日3食をきちんと咀嚼(噛む)して食べることが大事です。食べ物を口にして、栄養をからだのすみずみに運ぶことができて、はじめて人間は活動するためのエネルギーを得ます。食べなければエネルギーの元となる栄養を摂取することができません。何かと時間に追われて毎日を忙しく過ごしていると、「きちんと噛む」「ゆっくり食べる」ということがないがしろにされがちです。食べることをおろそかにすると、自然と食生活も乱れてきます。簡単に済ませられる便利なコンビニ食材や総菜が、いつしか当たり前の食事になっていませんか。お手軽食材に頼り、食べる時間も不規則になると、体内リズムがくるってしまいます。充分に消化せず内臓に負担を掛け、更には血流にのせて、必要な栄養を体中に運ぶことが出来なくなってしまうのです。

○食材の色が目安に

東洋医学では、食べ物を「陽」と「陰」に分類します。色味や水分量によって食べ物を大きく分けて考えると、陽の食べ物には体を温める効果があると考えられています。反対に陰に分類する食べ物は体を冷やすと言われています。ただし、健康を維持する為には陽と陰のバランスが大切で、どちらが良いか悪いかという訳ではありません。

●体を温めやすい「陽」の食材

目安としては、色が濃く赤っぽい、水分が少ない、塩分が多い食材があげられます。特徴的な食材をあげると、色の濃さが顕著な緑黄色野菜です。赤っぽい食べ物には肉や赤身の魚、紅茶があります。また、塩分が多い食べ物には味噌・醤油・佃煮があります。塩分が多い食べ物を「陽の食材」として紹介しましたが、過度に摂りすぎると冷えを生じるので注意が必要です。

●「陰」食材とのバランス

陰の食べ物は陽と反対で、白っぽく水分が多い、糖分が多い食材を表します。果物や夏の野菜が代表例です。また白砂糖や人工甘味料も「陰」食材に含まれます。注意したいのは、陰と陽のバランスです。どちらかを大量に取ったからと言って効果が上がるわけではありません。夏に水分が多い陰の野菜が多いのは、体温調節機能を整えるために体を効果的に冷やすという点で利にかなっているのです。季節の物をバランスよく、良く噛んで体内に吸収させることが、最も基本的な血行改善方法です。