寝たきりには危険!水分不足、飲み物摂取を心がけよう!!

介護を行っている方々は、「定期的に水分を摂取することが大事」と、聞いたことはありますか? 高齢者は若い人と比べて、水分を摂取する必要があります。今回、なぜ高齢者にとって水分を摂ることが重要なのか、見ていきましょう。

■介護における水分補給の重要性

◎頻尿について
高齢の方は、水分を調整するにおいて重要な腎臓の機能が低下し、尿量が多くなります。高血圧の薬で排尿の回数が多くなる事があります。頻尿になると、夜間のトイレを気にして水分を取らなくなる高齢者が増えてきます。水分の排出する量は多くなるのに、摂取する量は少なくなってしまうわけです。結果として体が脱水状態となる危険性が高くなります。

◎喉の乾きを感じる機能の鈍化
高齢になると体の感覚が鈍くなり、喉の乾きを感じにくくなります。そのため身体の水分補給が必要な状況にあるにもかかわらず本人が気付かつかないため、脱水状態となってしまうケースがあります。

■一日に必要な水分摂取量と見分け方

1日にどのくらい水分を補ったら良いのでしょうか。人間が一日のうちに摂らなくてはいけない必要な水分摂取量は、2~2.4L言われています。そのうち半分は毎日の食事やフルーツなどで不足分を補えるのですが、残り半分の水分に関しては必要量を意識的に補給しなくてはなりません。無計画に水分補給の介助をしていると、いくら補給できたのか分からなくなりますので介助することに記録を残しましょう。状況によって必要な水分量の調整は必要となります。

介助される人の水分補給量が十分であるかどうかは、相手の心身に以下のような特徴が無いか観察し判断すると良いでしょう。水分が十分でない場合、又は取りすぎている時には次のような症状が見られます。

■水分が不足している時

<軽度の症状>
(口の乾き・舌・唇・皮膚の乾燥・尿量減少・ぼんやりする・めまい)

<中度の症状>
(頭痛・全身脱力感・倦怠感・手足の震え・ふらつき・発熱・皮膚の紅潮・血圧低下)

<重度の症状>
(幻覚・昏睡・錯覚などの精神症状・痙攣・呼吸困難・意識障害・目のくぼみ)

■水分を取りすぎている時

(むくみ・下痢・動悸・息切れ・頻尿・血圧上昇・めまい・倦怠感・不整脈・冷え・体重増加)

■介護における水分補給の注意点

1.水分補給の体勢
高齢の方の補助をするときは、最も飲みやすい前屈みの姿勢を意識しましょう。反った姿勢で水分を摂ってしまうと、自分自身で飲み込む意識のないままに流れ込むので、誤って、気管に入ってしまう可能性があります。

2.水分の種類
水分補給では水を基本として考えなければいけません。水以外を水分として補給する場合、麦茶などのカフェインの含まないことが重要となります。コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには利尿作用があり、身体の中の水分が排出されやすくなります。

薬を服用している方は副作用も考えられます。カフェインが含まれている飲み物の摂取量には十分に注意しましょう。また、冷たい飲み物は胃腸への負担が強いため、常温又は40度から50度程度に冷ました、さ湯がオススメです。

3.水分補給を敬遠する人への対処法
声掛けや介助をしても、水分補給を敬遠される方もいます。トイレに行く回数が増えるのを気にしてのことかもしれません。まず、注意深く観察し本人が嫌がる理由や状況をはかり心配のタネを取り除くことで、不安を解消することができる解決策を提案することが大切です。

■まとめ

いかがでしたでしょうか? 高齢の方はどうしても脱水状態となってしまうことから、本人の要求がとくだんない場合でも、もこまめに水分補給を促すことが大切です。また、介護される方の状態をしっかり観察しながら、一日に2~2.4Lの水分補給を心がけましょう。

寝たきりの水分補給は、床ずれ防止にも効果があります。床ずれ予防・防止効果の期待できるリラフィールの併用も併せてご検討ください。