ケアマネージャーの受験資格改正と受験の実情について

平成30年からケアマネージャーの受験資格改正によって受験できなくなる人も出てきます。ケアマネージャーになりたい人に向けてどのような変更となるのか、さらにケアマネージャーの合格率についてまとめてみました。

■介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格は見直しされている。
過去幾度も見直しがされている介護支援専門員の資格ですが、平成12年から介護保険制度が施行され、厚生労働省としても初のこころみであったため、いろいろな問題がおきました。
よって、平成18年の介護保険制度改正では、5年に一度の更新に変更し、また主任介護支援専門員も5年の更新制となりました。

■受験資格を満たせなくなる人が発生する
平成30年からの受験資格は、厚生労働省の通知によって
・国家資格を保有していて、各資格の業務に5年間従事した者
・介護施設等で相談援助業務に5年間従事した者
上記2件が受験資格要件として残り、介護等の業務やケースワーカーの受験資格受け皿となってきた、以下の要件が受験資格対象から外れることとなりました。
・無資格で介護等の業務に10年以上従事
・介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)等の資格を保有していて、5年間の介護等の業務に従事

さらに、国家資格を有していない場合、介護・福祉の現場で、
 ・生活相談員
・支援相談員
・相談支援専門員
・主任相談支援員
等の業務経験が求められています。

また、受験対象となる
・介護福祉士
・社会福祉士
・看護師
上記国家資格を有している場合でも、介護の現場などで直接的な業務を行っていることが条件となります。
介護現場でのステップアップを考えた場合これは大きな変化といえるでしょう。

■合格率と合格ラインについて
平成29年に行われたケアマネージャー試験の合格率は25.1%となり、平成28年の13.1%から一転して12ポイントも上昇していて、過去5年間を見ても高い数字になっています。
しかし、それより前の合格率をみていると13%~19%となっており、難しいと言われている社会福祉士でも25%~30%だということを考えると、ケアマネージャー試験の合格率がとても低いことがわかると思います。
ケアマネージャー試験は全部で60問出題されます。介護支援分野から25問、保健医療福祉サービス分野の基礎から20問、福祉サービス分野から15問が出題され、各分野に、合格基準点を満たさなければなりません。
また、合格の目安は7割の点数となっており、たとえ満点をとったとしても、どちらかが基準を下回っていれば不合格になるといわれています。
合格するためには、過去問から出題傾向を把握して学習する必要があります。また、出題内容は介護保険法や医学知識など幅広く細かいのですか、ケアマネージャーの試験では法改正などによって変更した内容が試験で出やすい傾向にあるようです。
試験に出題されるものは限られていますので、ポイントを絞るのが近道となるのではないでしょうか。

■まとめ
社会の高齢化が進み、介護を要する人が今後ますます増えていることから、介護支援専門員(ケアマネージャー)には質や専門性の向上が期待され、資格制度の見直しが行われたといえます。