介護職の方は、利用者と接するときに、お互いに取って最適な距離感を保つ事で、利用者の方に安心感が生まれ信頼関係を築くことができます。
しかし、この距離感が判らずに不用意に接近しすぎるとかえって不信感を与えてしまいます。介護の現場で働く方は、利用者の方との適切な距離感があることを知ってサービス提供しましょう。
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パーソナルスペースを理解する
介護職の方が、サービス利用者と接するときに気をつけるべきは相手との距離感です。物理的な距離や心理的な「間」は大切です。
人間には相手に入られると不快に感じてしまう空間があり、この空間の事を「パーソナルスペース」と言います。そのスペースには、次のようなものがあります。
1.密接な間隔
恋人や配偶者などのパートナーが許される、最も至近距離感で相手の体温などを感じることができます。距離約0~45センチメートルで、最も親しい人に許される空間です。
2.個体間隔
親しい人や心を許した人に対して認められ、手を伸ばせば触れることができる間隔です。コミュニケーションをするときは、このスペースは、距離約45センチメートル~1.5メートルで相手の表情が読み取れるものです。
3.社会的な間隔
知らない者同士が会話するのに向いており、通常の会話ができる間隔です。このスペースは、距離約1.2メートル~3.5メートルです。
4.公共の間隔
教師や政治家が、大衆に向かってスピーチをする際のとる間隔です。このスペースは、3.5メートルで複数に対して話すものです。
介護者の場合、上記の内、1か2の間隔で利用者と接する事が多いと思います。
介護者の方が利用者に対してとる距離は
利用者の思いに寄り添いたい、そんな気持ちの強い介護職は、利用者との間隔が物理的にも心理的にも近くなりがちです。
近づくことで、細かいケアができるという利点もありますが、逆に近すぎると見えなくなることもあります。距離を置くか、または一旦離れて利用者について考えることも必要です。
〇利用者の個々の認知力や理解力に合わせる
介護の職にある方は、利用者の方の物事の認知力や理解力に合わせ適度な心理的な間をとることが必要です。
認知症の方と関わり仕事を進めるとき、その方の認知症の度合や物事を理解する力に合わせて、適度な心理的な距離感が必要だと思います。
例えば、ある認知症の利用者の方に夜間の付き添いをした際、自身で起き上がり歩くことはできるが、「歩行時には転倒の危険があるので気をつけて見ていてほしい」と説明を受けて付き添いをしました。
慣れない施設での生活に何度も起き上がるその利用者の方に、自身も合わせて体を起こしたところ、それを見ていた利用者が「あなた方は私を監視しているのか」と言われました。
その経験を通して介護職にある方は、起き上がるだけで反応するのではなく、動き出すまで待つことの大切さをその事から学ばれたそうです。
サービス利用者の方の状態を正しく把握した上で、その人に合わせた距離感をはかりながら、信頼関係を築くことが大切です。
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まとめ
介護職にある方は、サービス利用者の精神の状態・身体の状態・認知力など、その方の置かれたあらゆる状態を把握して、ある一定の物理的・心理的な距離感を持ちながら信頼関係を構築することから始めていくように接するとよいでしょう。
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