介護離職の問題とテレワークが与える影響について

介護離職が会社や社会に与える影響は、大きな問題となっています。新型コロナの影響で、テレワークをやらざるを得ない状況になりましたが、それを良しとする会社とそうでない会社があります。今回は、介護離職の問題とテレワークが与える影響について紹介しましょう。

介護離職の問題とは

介護をしながら仕事を続ける場合に両立が困難な状況になってくると、家族の事を優先するあまり、仕事を辞めざるを得なくなります。
そのような理由で仕事を辞めることを「介護離職」といいます。 介護が必要な年代としては、中間管理職以上の40代50代が多いので、会社にとっては、大きな損失となってしまいます。
介護する側の大きな悩みは収入源がなくなる事で、介護と生活困窮の悪循環となる事です。介護離職の問題は、個人にとっても会社にとっても対策を講じるべき問題と言えます。
高齢化社会に突入している日本にとっては、避けられない問題なのです。

育児・介護休業法による対策

家族介護を行う労働者の為の法律で、仕事と家庭との両立を行う為にあります。育児や介護を行いやすくする為に、事業者に対して措置を求めた内容です。
「就労と出産・子育て」や「就労と介護」を両立できる体制作りを支援する法律です。 休暇の分割取得は今までは1度だけでしたが、2017年の改正法で最大3度まで取得可能になりました。
介護・看護休暇についても、全日休暇しか認められていなかった事を柔軟に対応し、半日単位も可能になり働く時間も減らさないで済むようになっています。

他には、育児休業期間が最長2年まで取得可能になった事です。介護休業給付制度で、「日額賃金×休業日数×67%」の賃金を、会社からハローワークを通じて支給されます。
※実際には、まだまだ介護休暇が取りづらい社会環境があり、精神的にも苦痛になる場合もあるようです。

テレワークと介護問題

日本独特の文化や慣例(対面式対応、書類への印鑑捺印など)によってテレワークの導入が進みませんでしたが、残念な事に新型コロナの影響で、テレワークの導入が一気に加速しました。
テレワークの利点としては、働きながら介護との両立の可能性を示した事です。会社としても介護離職を軽減できれば、生産性の確保やオフィスコストの削減、優秀な人材の確保などの利点も多いのです。 今までは、営業先回りや取引の形態として人と人との対面を優先してきましたが、これを機会にビジネススタイルを定着させる事で、介護離職にも対応できるようになります。

テレワークをする事で、昼間は在宅でデイサービスなどとの連携を図り、仕事が終わると、施設から介護を引き継ぎ、仕事と介護の両立の可能性を示しています。
一部の報道では、テレワークが介護離職を認識させるきっかけになるとありますが、今後の経済的な問題で、自分自身の生活まで苦しめてしまう事を考えた場合に、介護離職の与える結果が決してベストな選択ではない事を、介護を経験する事で認識しては遅いのです。

テレワークだけで介護離職を解決できるものではないので、地域の福祉課や介護関係の相談員と、介護の方法や経済面において、自分と介護者の両方が生活できるようになる事が重要です。
テレワークが今後も継続する事で、仕事と生活、そして介護の面でも柔軟に対応できるように計画する事です。決して、一人で考え込まない事です。
介護の面では、地域の福祉課や介護関係の相談員にたよる事と、経済面では会社の働き方でテレワークを利用する事で、介護離職をしなくても済むような環境作りが必要です。

まとめ

介護離職は、個人だけの問題ではない事を理解しましょう。会社にとっても損失と考えるべきなのです。
介護休業法を利用する事や新しい働き方の「テレワーク」の継続が、介護離職の問題を解決に導く要因となるのです。テレワークを含めて、介護をできるような環境作りも重要です。