介護の現場では、「命」に関わる病気や事故の現場に居合わせることもあるでしょう。そのような時に頼りになるのは、救急(救命)講習で培った知識と技能を持ち合わせた方の存在です。
では、救急講習とはどのような講習なのか、そこで得られる応急手当の講習受けるメリットはどのようなものがあるのかを、こちらで解説しましょう。
救急(救命)講習とは
救急(救命)講習は、消防本部によっておこなわれている応急処置技能講習です。総務省消防庁による「応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱」に基づき、各地の消防局・消防本部が指導する公的資格の1つです。
救急(救命)講習の内容
救急(救命)講習は、応急救護講習から上級救命講習があります。 応急救護講習は、講習時間が希望する時間で、ケガの初歩的な応急手当を覚えることができます。
内容は、自動車学校で実施されているものとほぼ同じ内容です。
救命入門コースは、45分の講習時間と90分の講習時間から選択でき、小学校高等学年の方、普通救命講習の受講希望はあるが講習時間が取れない方、これから普通救命講習を受講される方などを対象とした、胸骨圧迫やAEDを中心に学べるコースとなります。
普通救命講習は3時間の講習で、心肺蘇生やAEDの使用法、異物除去、止血法などが学べます。 他に、AEDを業務として使う人のために知識確認と実技の評価が加えられた「普通救命(自動体外式除細動器業務従事者)講習」(4時間)や、前回の同講習受講日から3年以内に再度受講するための「普通救命再講習」(2時間)などもあります。
上級救命講習では、成人や小児・乳児への救命処置や応急手当(普通救命講習2及び3に相当 )に加え、三角巾を用いた骨折などの外傷救護法や、熱中症・やけどなどへの対応、事故などでの搬送法などが加わり、実技と筆記で8時間の講習を受けることになります。
普通救命講習と上級救命講習の違いは、普通救命講習では成人の心肺蘇生法、AEDの使用法、気道異物除去法を3時間で実施しているのに対して、上級救命講習では普通救命講習の内容に加え、小児・乳児の心肺蘇生法、外傷の手当、保温法、体位管理法、搬送法を実施し、実技及び筆記試験が加わります。
応急手当の指導を受けるメリット
救命講習の応急手当の指導を受けることで、「目の前の人が倒れた」場面に遭遇した時、受講した内容が役にたちます。
心臓や呼吸が止まってしまった場合、3紛以内に周囲の人が救命処置をした場合は、その生存率は50%を超えます。何もしなかった場合は25%を切ってしまうのです。
また、救急車が到着するまで20紛以上たっていたとしても、救命措置をしていれば生存率は5~10%程度は残されているのです。
AEDは人を救えるけど、機械だけあっては人を救うことはできません。それを操作する人がいてこそ役にたつのです。確かに音声ガイダンスはしてくれますが、事前に流れを把握しているのといないのでは、いざという時に確実に差がついてしまいます。
まとめ
介護の現場では「救命講習」で修得した知識や技能が、一般市民より高頻度で必要とされる場面に遭遇することでしょう。そのような時にも慌てることが無いよう、応急手当の方法を修得しておきたいものです。
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