寝たきりの人や寝返りができない人にとって、褥瘡は悩みの種であり最もつらい症状と言えるでしょう。
一度起きるとなかなか治らないだけでなく、他の病気を併発する原因にもなります。
予防するためには、定期的に体位変換を行って体圧を分散させ、栄養バランスの良い食事を取るなどが必要になります。
褥瘡の予防のための体位変換方法
同じ部分に圧迫がかからないように、定期的な体位変換を行う必要がありますので専用の予防布団やエアーマットなど予防用具も活用すると良いでしょう。
1~2時間に1度は左右の向きを変えたり、仰向けにするなど体位を変えましょう。
・寝返りの場合
介護者は、向けたい側に立ち介護される人の手を上げ、反対側の手を胸に乗せて向けようとする側とは反対側の膝を立てます。そのまま腰と肩に手をあてて、手前にゆっくり返しましょう。
反対に横向きから仰向けにする場合には、移動マットを両側から手前に引き、腰と肩に手をあててゆっくりと仰向けにしましょう。
・背上げの場合
隙間によるズレに注意しながら、膝部を上げて背上げを行うようにします。
お腹部分の角度が30~40度くらいになったら前屈みにして目的の角度に戻しましょう。
2人以上で行うことがベスト
体位変換はベッドから転落したり、介護される人に摩擦やズレの負担がかからないために、衣類のしわを整えながら2人で行うことが望ましいでしょう。
褥瘡を予防のための栄養管理
褥瘡を予防するためには栄養管理も重要になりますが、基本として低栄養の回避と改善がメインになります。
低栄養の場合には、高エネルギー、高たんぱく質のサプリメントで補給を行うことも必要になるでしょうし、口から食べ物が取れない状況であれば鼻や胃にチューブを挿入して補給するという方法や点滴が用いられる場合があります。
褥瘡を予防のためのスキンケア
褥瘡になりやすい皮膚状態には、汗や排尿による皮膚のふやけが起きていることがあげられます。
長い時間排泄物が付着した状態が続くと、皮膚トラブルが褥瘡発生を促すことになりますので清潔を保ち皮膚を保湿するクリームを塗布するなども行いましょう。
・皮膚の洗浄方法
皮膚を洗浄する際にはゴシゴシ擦らないよう、石鹸をしっかりと泡立て十分に洗い流しながら行いましょう。
高齢者は皮膚が弱いので、特に骨が突出したところは摩擦を強く受けやすい状態ですので、予防のためのテープなどを利用すると良いでしょう。
褥瘡を予防のための血行促進
できるだけ昼間は起こした状態で、マッサージや日光浴を行いましょう。運動を多少でも行うようにすると筋肉が動くことで血行を促進します。
つらい褥瘡を予防するために
寝たきりや体位を自分で変えることができない人にとって、褥瘡はつらい症状です。
治癒するまで時間もかかりますので、発症しないように肌の状態をチェックしながら予防策を実践していくことが必要になります。