褥瘡という言葉を聞いたことがありますか?今回はその褥瘡の治療方法を最新の褥瘡予防・管理ガイドライン第4版に基づいて説明したいと思います。
■褥瘡予防・管理ガイドラインとは
褥瘡予防・管理ガイドラインとは、日本褥瘡学会が科学的な根拠に基づく診療の実践においてガイドラインを作成されました。褥瘡においてはこのガイドラインを基準にして治療などを行わなければなりません。最新版は現在第4版となっており、こちらから治療方法をご紹介しています。
■第3版との違い
前回の第3版からの変更点は、CQに2つの項目が追加されたことです。
まず1つは、「スキンケア」の項目で、集中治療を必要とする患者さんが治療中に褥瘡が発生しないよう、どういったスキンケア対応が望ましいか。これに、ポリウレタンフォーム/ソフトシリコンドレッシング材の貼付を勧める(推奨度B)が追加されました。
そして「体位変換・ポジショニング」の項目に追加されたのは次の2点です。
◎関節拘縮を有した高齢者には、どういったポジショニングを行い、体位変換するとよいか
→体圧分散を図ることのできる用具やクッション等を用い、ポジショニングを行ってもよい(推奨度C1)
◎重症集中ケアを必要とする、既に褥瘡となってしまった患者さんには、どういった体位変換をおこなうことが褥瘡のさらなる進行予防に効果的か
→基本的に2時間以内の間隔で体位変換を行ってもよい(推奨度C1)
■褥瘡の治療
では、その治療の仕方についてです。
ガイドライン第4版によると、「ぬり薬」という治療方法があります。ぬり薬は、褥瘡の状態によって使える薬がいくつかあります。炎症が起きている時のぬり薬、炎症が落ち着いてきた時のぬり薬、保湿するぬり薬などです。
次に、「ドレッシング材」です。ここでいうドレッシングとは、野菜にかけるドレッシングではなく、傷を覆う医療用材料のことです。傷を覆う効果として、外からの刺激や感染、汚染を防ぐことができます。くっつきにくいものなら交換時に痛みも少なく、早い治療を望むことが出来ます。
そして「消毒と洗浄」です。やはり傷口とその周辺を清潔に保つことは重要になってきます。治療速度にも大きく関わってきます。こちらはどの状態でも使えることができる治療方法です。
■最適な治療をして早期回復を目指そう
床ずれが出来てさらに褥瘡にまで悪化してしまい不安や焦りが出るかもしれません。しかし、適切な治療をすることで早く治ることが出来ます。今回の記事を読んで頂き、少しでも安心に繋がれば幸いです。いきなり手術は怖いですよね。そうならないためにも、早期発見に早期治療を心がけましょう。
褥瘡の予防や治療など褥瘡予防の専用機材(リラフィール)を取り入れる方法も効果的です。リラフィール(専用機材)に関する質問等ございましたらお気軽にお問合せ下さい。