介護福祉士になるためには、介護福祉士国家試験を受けて合格する必要があります。資格取得までには、いくつかのルートがあり、ルートによって、修了しなければいけない課程や、免除される科目も異なっています。ここでは、実技試験の免除対象者にスポットをあて、ルートを確認してみましょう。
・実技試験を免除できるのは?
資格取得ルートには、「養成施設ルート」「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」の大きくわけて4つのルートがあります。そして、このルートの中で下記の研修や講習を修了している人は、実技試験が免除されます。
■実務者研修を修了した者
●実務経験ルートで、実務経験が3年以上であれば実務者研修修了と合わせて試験の受験資格を得ることができ、筆記試験のみで実技試験は免除となります。
●経済連携協定(EPA)ルートでは、実務者研修を修了しなくても受験資格は得られますが、実技試験を免除してもらうには、実務者研修を修了しておく必要があります。
実務者研修修了で実技試験が免除になるのは、「実務経験ルート」と「経済連携協定(EPA)ルート」のみで、福祉系高校ルートでは実務者研修を修了しても実技試験は免除となりません。
■介護技術講習を修了した者
●特例高校(専攻科を含む)を卒業し、9か月以上介護等の業務に従事した方は、介護技術講習の修了コースを選択することで、実技試験を免除できます。
●平成20年以前の入学者で福祉高校(専攻科を含む)を卒業した人は介護技術講習を修了することで、実技試験を免除できます。しかし法律の改定により、現在の新カリキュラムでは講習を受けることなく、実技試験が免除されます。
●経済連携協定(EPA)ルートでは、介護技術講習を修了することで実技試験が免除されます。
経済連携協定(EPA)ルートでは実務者研修か、介護技術講習のどちらかを修了することで、実技試験が免除されますが、実務経験ルートの場合は過去に介護技術講習を修了していても、実務者研修を修了しなければ受験資格が得られません。
■介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修の両方を修了した者
●実務経験ルートで、「介護職員基礎研修」と「喀痰吸引等研修」の両方を修了すると、受験資格を得ることができ、実技試験は免除されます。これは、「社会福祉士及び介護福祉法」の改定で平成28年度(第29回)から実施されるようになりました。
福祉系高校(特例高校及び旧カリキュラム高校)ルートの場合は、「介護職員基礎研修」と「喀痰吸引等研修」の両方を修了しても、実技試験免除とはなりません。
・まとめ
介護福祉士の受験資格を得るためには、「養成施設ルート」「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」がありますが、その全てが実技試験を免除できるわけではありません。実務者研修を修了した者や介護技術講習を修了した者、「介護職員基礎研修」と「喀痰吸引等研修」の両方を修了した者が実技試験免除の対象となりますが、同じ研修や講習を修了しても、ルートによっては免除資格がない場合もあります。自分がどのルートで介護福祉士を目指すのか、実技試験の受験が必要なのか、確認して目指して下さい。また、「社会福祉士及んで介護福祉士法」の改定により、今後変更される部分もあるので、注意しておきましょう。