床ずれの治療方法 大切なのは傷の保護と固定

床ずれが一度発症すると、その創傷箇所を完治させるためにさまざまな処置を行います。
早い段階でケアして治癒するのがベストですが、患者の健康状態や身体機能の具合(麻痺や寝たきり)によっては、なかなか治療が思うように進まない場合もあります。
床ずれを直すためには、その傷に合わせて適切な治療方法を、その都度考えて実践していくことが大切です。


○床ずれの病態管理と創移動の対処
体のずれ力や圧迫によって床ずれがおこった場合、その外力を取り除くことが第一の条件となります。
特に、摩擦によるずれ力は床ずれの治癒を遅らせる大きな要因となりますので、ポジショニングや体位変換、移乗のときに注意が必要です。

 
●床ずれ創の固定にバンテージ
床ずれの主な治療方法は、洗浄と外用薬の使用です。皮膚を清潔に保ち、保湿をしながら効果の期待できる外用薬を用います。
ただ、高齢者や移乗の多い患者の場合、床ずれ部分に外力がかかり、なかでも骨突出部分周辺ではずれによる創傷が移動することがあります。
皮膚がたるんで、引っ張られる力(ずれ力)が働く方向に皮膚が伸びてしまうために、骨の出っ張った部分で起こった床ずれがその周辺に動き、さらに引っ張られて傷を大きくしてしまうのです。
床ずれが広がらないように、バンテージで創縁が近い皮膚を固定すると、創の広がりを抑えることができます。

 
○創の固定と保護
寝たきりの患者が使用する耐圧分散寝具は、寝ているときの圧迫を緩和することで知られていますが、これを使用すれば床ずれが起きないというわけではありません。
床ずれが起きる前の予防として、除圧に配慮した寝具を使用するのは有効ですが、床ずれが起きている場合には、やはり創の保護をして圧力がかからないように配慮する必要があります。

 
●床ずれの傷を保護する方法
床ずれは、清潔にして薬を用いれば完治するという単純なものではありません。創傷部分を圧迫しないように保護して、かつ適切に薬を塗布しながら経過を観察します。
創傷が臀部や仙骨部分に起こると、体位変換を繰り返しても除圧が充分にしづらい上、他の箇所に褥瘡を発症しやすくなります。
そこで、創傷部分に土台を作るレストンを用いて、床ずれの傷を固定するという方法を用いると良いでしょう。
骨の突出高にあわせてレストンをあてて、床ずれ箇所をドーナツ型で覆うようにします。これで段差が解消されるため、創傷部分を更に圧迫することが無くなります。
床ずれの治療は根気を要します。深部にいたる褥瘡になる前に早期発見し、清潔を保ちながらずれ力をおこさない環境を作ることが最良の治療方法といえるでしょう。