高齢社会に伴って認知症患者の介護の需要が高まるなかで、介護をする側の知識や技能の向上が必要とされています。
そこで、認知症介護に携わる者が、その業務を遂行する上で基礎的なサービス提供をおこなうことができるよう必要とされる「認知症介護基礎研修」は、どのようなカリキュラムで組まれているのでしょう。また、費用についても説明します。
認知症介護基礎研修とは?
認知症介護の研修は難易度や目的、受講対象などによって分けられており、段階を踏んで学ぶことができます。認知症介護基礎研修は、その名称に「基礎」とある通り、認知症介護の研修のなかで、もっとも基礎的なレベルの研修となっています。
この研修を受講することで、基本的な介護サービスを提供できるので、認知症介護の場で働きたいという思いがある方は、最初に受けておきたい研修だといえるでしょう。
認知症介護基礎研修のカリキュラム
認知症介護基礎研修は、厚生労働省が策定した「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」に基づいて、認知症介護に必要な基礎的な技術や知識を習得するための研修を実施しています。
研修日当日におこなわれるカリキュラムは、以下の通りになります。
〇オリエンテーション
研修の目的と目標(10分)
〇講義:認知症の人の理解と対応の基本
●認知症の人を取り巻く現状(20分)
1ー認知症の定義と原因疾患(40分)
2-認知症の中核症状と行動・心理症状の理解(40分)
3-認知症ケアにおいて基礎となる理念や考え方(40分)
4-認知症ケアの基礎技術(40分)
〇演習:認知症ケアの実践上の留意点
演習1ー認知症の人とのコミュニケーション(70分)
演習2ー行動の背景を理解したケアの工夫(85分)
振り返りー自事業所の状況や自身のこれまでのケアの振り返り(25分)
研修は、上記のカリキュラムに基づき、午前に講義、午後に演習を実施します。その際、講義のみ、演習のみといった受講はできません。
全カリキュラムを受講しなければ修了はできませんので、気を付けてください。
受講対象者や費用など
受講対象者は介護保険施設、事業所等に従事する介護職員等で、認知症介護の基礎的な知識や技術を身に着けたい方で、全カリキュラムへの参加が可能な方となっており、新任(概ね3年未満)の介護職員及び無資格で従事する方等を想定した内容のカリキュラムになっています。
参加費用は実施する自治体や養成校により異なり以下のようになります。
〇受講料:無料~5,000円
〇テキスト代:1,000円+税
認知症介護基礎研修には試験はありません。規定のカリキュラムを全て修了した方に、修了式にて修了証が交付されます。
まとめ
認知症介護基礎研修を終了し、認知症介護実践者研修を修了することで、さまざまな場面で優遇されます。認知症介護基礎研修を修了することは、介護の場でのポジションを有利なものにしてくれるのでぜひ修了したい研修です。
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