介護の道を志す方にとって、その入り口となる資格が介護職員初任者研修です。その受講期間で、これから介護職員として歩んでいくに当たって、学び取っておくべき事柄となる研修カリキュラムにはどのようなものが設けられているのでしょうか。確認していきたいと思います。
介護職員初任者研修とは
介護の仕事には、介護対象者の生活を支えるため掃除・洗濯・調理などを行う「生活援助」と、身体の不自由な介護対象者の食事・入浴・排泄などを補助する「身体介護」の2通りがあります。
生活援助には介護関連の資格は特に必要なく、身体介護については介護関連の有資格者からの指示を受けられる施設内など、特定の条件下に限って無資格でも行うことができます。
しかしながら、身体介護を介護対象者の自宅などで行うこと、即ち訪問介護業務として実施する場合には、何らかの介護の資格を有していなければなりません。つまり、介護の仕事ではある段階以上の業務からは相応の資格が必要となるわけです。
最も初歩的な介護資格として位置付けられているものが、介護職員初任者研修です。この資格を取得していれば、訪問介護による身体介護も可能となり、無資格時より取り組める業務の幅が広がることとなります。
カリキュラムの内容
介護職員初任者研修の資格は、その講習を開催する教室などで130時間のカリキュラムを履修し、その後行われる修了試験に合格することで取得できます。
カリキュラムは講義と演習から構成され、通学講座または通信講座どちらの形式でも受講が可能です。
但し通信講座の場合、演習のカリキュラムについては主催する教室に通って受けることとなります。研修期間は受講する日程の組み方により変わり、早い場合では1カ月弱、ゆっくり学ぶ場合では半年程を要するでしょう。
カリキュラムの内容は以下の通りです。
〇職務の理解:学習時間は6時間。介護に関する様々なサービス、介護の仕事内容、現場の理解などについて学習します。
〇介護における尊厳の保持・自立支援:学習時間は9時間。介護対象者の人権や尊厳の重視、および自立に向けた介護のあり方について学びます。
〇介護の基本:学習時間は6時間。介護職の役割や専門性、他職種との連携、職業倫理などについて学習します。
〇介護・福祉サービスの理解と医療の連携:学習時間は9時間。介護保険制度に関する事柄や医療との連携、リハビリテーションについて学習します。
〇介護におけるコミュニケーション技術:学習時間は6時間。介護対象者および介護従事者間における良好なコミュニケーション構築について学びます。
〇老化の理解:学習時間は6時間。老化に伴う身体的・内面的な変化と日常、高齢者と健康のあり方について学びます。
〇認知症の理解:学習時間は6時間。認知症を取り巻く状況と医学的観点からの認知症の基礎と健康管理について学習します。
〇障害の理解:学習時間は6時間。障害の基礎的理解と、医学的側面、生活障害、心理や行動の特徴、かかわり支援などに関する基礎的知識について学習します。
〇心と身体の仕組みと生活支援技術:学習時間は75時間。介護対象者の生活を支援するために行う技術的ノウハウを学びます。
〇振り返り:学習時間は4時間。研修内容の振り返りが行われます。
まとめ
以上のように、介護職員初任者研修は介護関連の資格の中で初級に位置付けられるものであり、これを有することにより無資格では行えない訪問介護などの業務にも携われるようになることを踏まえながら、その資格取得方法と講習カリキュラムについて見てきました。
介護職員初任者研修の取得は、より高度な資格に当たる介護福祉士資格を取得するための条件ともなっています。介護の分野で活躍する将来をお考えの方には、必須となる資格と言えるでしょう。
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