理学療法士になるためには、理学療法に関する知識や技術を学ぶことが必要です。今回は、大学や養成校でさまざまな知識や実技を学んだ教科を活かしておこなう評価実習について考察していきましょう。
臨床実習の内容について
大学や3年制の養成校ですと、臨床実習は2年次からはじまり、卒業までに18週間と長期に施設や病院での実習となります。下記に4年制大学での実習について紹介しましょう。
・臨床実習1(見学実習)
病院や施設での実習では、現場でスーパバイザ―の指導を受けて、理学療法士が必要な基本的な知識や技術を学ぶのが目的です。
患者さんに対して、評価するための面接方法・検査・理学療法士がついてリハビリの体験学習を行います。また患者さんをはじめ、看護師や他の他職種とのコミュニケーション方法なども学びながら、医療人としてのマナーやモラルも習得します。
・臨床実習2(評価実習)
理学療法士に限らず、作業療法士や言語療法士などでもリハビリをおこなう、初めの段階が評価となります。臨床実習2では、主に実践的な評価方法を学びます。
リハビリをおこなう対象者の障がいをみて情報収集をして、課題分析・評価をおこない、それに対する理学療法計画のプラン作成をおこなうことを目的としています。
・臨床実習3(総合臨床実習)
これまでの臨床実習1,2で習得した知識や技術をもとに、リハビリ対象者の問題を把握し理学療法プログラムの立案から作成、実践をおこなうことでゴールを目指す。
また、リハビリをチームとしてのアプローチを実践して、連携した理学療法の問題解決のプロセスを学ぶことが目的です。
臨床実習で大切なこと
・実習先では、決められた規則や時間を守りましょう。
・理学療法士を目指すうえで医療人としての身だしなみが適切であること。
・リハビリ対象者やその他職員に対して、挨拶や言葉遣いに配慮しましょう。
・リハビリ対象者を尊重しプライバシーの配慮に心がけましょう。
・理学療法士としての役割について理解することを心がけて実習に臨みましょう。
・リハビリ対象者との信頼関係を築くことを心がけ接しましょう。
・理学療法士としての知識・技術の向上心・探究心を深める心構えが必要です。
・実習レポートの提出は決まった時間や期日を守りましょう。
実習先はどこでおこなうの?
実習場所は、大学や養成校などによって異なりますが、介護施設、主に介護老人保健施設や通所リハビリテーション・病院の急性期・回復期・慢性期病棟など・整形科やクリニックなどで行います。
臨床実習のメリット
いろいろな実習先を体験し学び、さまざまな患者さんと触れ合うことで、教科書などで学んだこと以外の臨床事例を経験することになります。
学校を卒業して、就職したときにさまざまな実習先で学んだことが、今後の自分の目指す道や就職先を選択する機会となります。
まとめ
理学療法士の評価実習で大切なことは、大学や養成校で学んだ知識や技術を、実際の現場で患者さんに対して正しい評価をしてリハビリを実践することです。
臨床実習は1段階から3段階まであり、評価実習は臨床実習2で学びます。臨床実習3では、評価実習を再確認しながらより深く総合的に学びます。
理学療法士の臨床実習において対象者を評価することは、理学療法をおこなううえで重要なポイントとなることでしょう。