言語聴覚士と吃音

みなさんは「吃音」について知っていますか?身近に症状のある方がいないと、多くの方が知らないと思います。今回は、吃音の症状にどのようなものがあるのか。
また、言語聴覚士が行う吃音のリハビリについて考察してみましょう。

どもり、から吃音の名称に変わった?

少し前までは、「どもり」と呼ばれていましたが、差別的な言葉としての意味合いがあるために「吃音」と呼ばれるようになりました。

吃音とは?

吃音(きつおん)とは、言葉が滑らかに話せない発達障がいのひとつであり、2文字以上の複雑な発話を開始する時期に多く、言葉を話し始める2歳から5歳に起きやすいことが研究結果で発表されています。

また、吃音の種類は発達性吃音と獲得性吃音がありますが、約9割は発達性吃音です。原因は、幼児が持っている体質的・発達的・環境的な要因などさまざまに影響しあって、発症すると考えられています。

発達性吃音とは

先天性で幼少期に発症することが多く、吃音の約9割は発達性吃音といわれています。

獲得性吃音とは

後天性で病気やケガなどで、脳や神経などに損傷を受けたり心理的なことが原因で起きることが多いです。

吃音にもいくつかの特徴を持った吃音があります

言語症状で言葉を話すときに単語などを繰り返したり、つまったり、引き伸ばしたりする音声を発するときに現れる症状です。下記に分類ができます。

・言葉を連発する
「リ・リ・リンゴ」と言葉の語頭部分の音をくりかえす症状です。ほとんど初期にみられ周りの人も、どもっていることがすぐに分かります。

・言葉を引き伸ばす
「リーンゴ」と音を引き伸ばしたりする言葉になったりします。これも初期に多くみられる症状であり年齢を重ねていくうちに、自分が気にするあまり緊張感が加わることが多いといわれています。

・言葉がつまる
言いたい言葉がつまってなかなか出てこない症状です。

「・・・・・リンゴ」といったように、言葉がつまって出てこないのです。成人の吃音に多くみられ、最初の音が出ればあとはすらすらと発声でき、スムーズに話ができるために、周りからは吃音だと思われないことが多いです。

下記のような特徴もあります。
・話始めの言葉が出にくいことがある
・話しやすい言葉と言いづらい言葉がある
・その日の調子で吃音の状態が良い場合と悪い場合がある

言語聴覚士が行うリハビリとは?

吃音のリハビリや治療法は、さまざまに存在します。下記でその代表的なものを紹介しましょう。

・リズム法
・遅延聴覚フィートバック
・メンタルリハーサル
・環境調整法
・リッカプログラム
・薬物療法

吃音のリハビリ治療方法はまだ有効な手段などは、確立されていないのが現状ですが、いろいろな治療法が行われています。

まとめ

吃音の多くは、発達段階の乳幼児期に多く、早期に気づくことが重要となってきます。医療機関を受診して、言語聴覚士などのリハビリを受けることで吃音の改善が望めます。