スポーツやリハビリの分野で、身体動作を計測し解析することを、総称して「動作解析=動作分析」と言います。
では、リハビリの分野で理学療法士が行う動作分析とは何かを考察していきましょう。
■理学療法士とは?
国家資格であるリハビリを専門に行う理学療法士は、英語表記でいうと”Physical Therapist”略して(PT)とよばれています。
病気やケガ・脳血管障害などで、身体機能に障がいを持った方を対象に、自立した生活が送れるように回復・維持を目的にリハビリを行う専門職です。
■リハビリの理学療法とは?
理学療法士は様々な疾患やケガ、高齢者などの運動機能の低下した状態やまたは機能低下の予防の方に対しても、「運動療法」「温熱療法」「電気治療」などの物理的な療法を用いて、維持・改善を目的に行われる治療法です。
■リハビリで行う理学療法の対象とは
理学療法士が対象とするリハビリの対象を、以下で紹介しましょう。
・膝痛、腰痛、腱の断裂や切断、損傷、骨折などのスポーツ障がいの整形外科疾患
・慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患や肺機能低下
・心筋梗塞などの心疾患、糖尿病などの内科的疾患、脳梗塞やくも膜下出血などの血管疾患
・病気やケガでの入院や手術後、療養後などの体力低下、運動機能の低下
・高齢者の生活不活性病(廃用性症候群)などの、運動機能の低下
・脂質異常、高血糖、高血圧などのメタボリックシンドロームの予防や運動指導
・高齢者の要介護予防のための運動療法
■動作分析とは?
最新科学の進歩により、スポーツの分野でも運動スキルを評価して、アスリートのパフォーマンスをより向上するために、ビデオカメラでのモーションキャプチャーを使い、人間の効率的な動きの研究が進んでいます。
一方、リハビリの分野では三次元動作解析装置や筋電計などの機器を用いて、筋肉の緊張力を使い関節を動かします。
理学療法士が行う動作解析とは、人の動きや運動を捉えるために動きを細分化して、「動作解析」「運動分析」「運動解析」し、その動きのメカニズムを化学的に解明するために行われることです。
■障害者の場合動作分析を通したリハビリ
例えば、歩行するという動作は立つことから始まり、筋肉や骨盤・関節の柔軟性、膝や足首など、それぞれの動作が連動してバランス感覚をとりながら歩行が可能となります。
また、片麻痺の方でしたら上記の一連動作が困難なため、障がいや運動能力の程度を動作分析で評価して、最初は筋力をつける訓練やバランス感覚を養うために補装具を着用して、理学療法士が介助しながら平行棒歩行を行います。
歩行動作が改善されてくると、次の段階では四点歩行器などでのリハビリを行います。
■まとめ
人本来の動きの原理を理解するために、動作解析が大切になってきます。スポーツ障がいや高齢者などの障がいの度合いを評価し、リハビリの計画プランを立てるためにも、障がいを持った人の動作分析がとても重要となるでしょう。