保健師ってどんな仕事?保健師と他職種との連携の重要性

保健師の業務内容は多岐にわたり、その働く場所ごとにかかわる専門職や機関も広範囲になります。いろいろな内容の仕事がある中で、今回は最近、問題になっている虐待問題とその他のケースで各機関との連携について考察してみました。

■どのような場所で働いているの?

保健師といっても、働く場所はいくつかあります。各市町村・都道府県・保健所・保健センターなどで公務員として働く「行政保健師」、企業で働く「産業保健師」、学校の保健室で「養護教諭」として働く「学校保健師」、病院で働く「病院保健師」といろいろな職場があります。
そのほとんどは、行政職として各市町や保健所などで働いていることが多く、保健師の約7割を占めています。

■保健師ってどんな仕事?

地域の高齢者や幼児など、すべての住民の健康保持や健康相談・指導などを行うのが主な仕事です。いろいろある保健師の仕事の中でも、特に地域に密着した保健師といえるでしょう。
※行政保健師になるためには、公務員試験に合格することが必須です。

■虐待問題における関係機関との連携

虐待問題は第三者にとって、介入しづらい側面を持っています。児童虐待の場合、虐待を受けている児童は「SOS」を、なかなか発しづらいものです。

また、保護者からの返答は「しつけのため」などとの答えが多いので、突っ込んだ話ができないのです。そのような場合は、仕方なく、しばらく様子をみることしかできません。高齢者の場合ですと、認知症を患っている方や話すことができない寝たきり状態であったりすることが多くみられます。

◎保育士連携
保健師は児童虐待や高齢者虐待の恐れのある家庭にも、家族との面会や相談を通して虐待があると思われる時には、児童相談所・保健所・保健センター・地域包括支援センターなどに、速やかに報告して連携をとっていきます。

※時には、生死にかかわるような緊急性がある場合は、警察へ通報する事態もあることでしょう。

そのような事態にならないように、地域の住民や民生委員と連携をとりながら、家庭訪問などを頻繁に行うことが理想的なことではありますが、保健師の数が絶対数足りていないことや仕事量が多いという現状では、早期発見、早期解決がしづらいというギャップに現場の保健師は悩んでいることでしょう。

■その他の職種や各機関との連携

その他、保健師がかかわりをもって連携をとるケースを紹介しましょう。

◎司法と保健師の連携
保健師は、犯罪歴や非行歴のある人や、刑務所から出所後の社会復帰への支援も地域社会と連携して、復職支援をすることも重要な仕事です。

◎地域で暮らす高齢者・在宅医療と介護の連携
自宅で暮らしながら、介護サービスや在宅医療を受けている高齢者にとって保健師は、その人が望む生活が送れるように、地域包括センターや主治医などと、連携をとって支援することも重要です。

■まとめ

いかがでしたか、今回は主に虐待問題を通して、保健師の関りについて解説してきましたが、虐待問題以外にも今後、高齢化問題も深刻化していて保健師が果たす役割も増えてくることでしょう。

保健師の仕事の内容は多岐にわたり広範囲の対象者・多面性を持った業務内容から、様々な事例で各種機関・多職種との連携が必要不可欠となります。