社会福祉士にはどんな義務があるの?

1987年に「社会福祉士法及び介護福祉士法」が「名称独占」の国家資格として誕生しました。その中でも社会福祉士は、高齢者や障がい者の相談業務のエキスパートとして、その専門性を活かして医療・福祉・介護などの各分野で活躍されています。その働く場所で呼び方が変わり「ケアワーカ」や「ソーシャルワーカ」の名称で呼ばれています。今回は、社会福祉士に求められる義務とは何か解説していきましょう。

■社会福祉士の業務内容とは?

社会福祉士の業務は、身体や精神に障害のある方や環境上の理由による生活困窮者など、日常生活を営むのに支障をきたしているものに対し、相談を受けて助言や援助を行い医療機関・福祉施設などやその他の関係職種との連絡・調整を行い、援助につなげる役割を担っています。

■社会福祉士に求められる義務とは?

社会福祉士が守るべきことは、どのようなことでしょうか? 下記の事項を参考にするとよいでしょう。

1:誠実義務
社会福祉士は、担当する利用者が個人の尊厳を保持しながら尊重して、自立した日常生活が送れるように相談などの支援を通して、誠実に業務を遂行することが義務づけられている。

2:信用失墜行為の禁止
相談業務を遂行するうえで信用を傷つける行為をしてはいけない。

3:秘密保持義務(守秘義務)
相談援助をしていくうえで利用者やその家族の情報など業務上知り得た情報や秘密を守る義務があります。それらの情報などは、退職や資格が無くなっても秘密保持義務は守らなければいけない。尚、秘密保持義務違反の罰則は懲役1年未満、30万円以下の罰金が科せられます。

4:各機関との連携義務
社会福祉士は、業務上、福祉サービスや医療機関サービスなどや、他の各機関との連携を保持しながら円滑・適切に提供されるように福祉サービス機関との連携を保たなければいけない。

5:資質向上の責務
社会福祉士は、介護をめぐる様々な変化や環境に即した業務の内容に対応するため、相談援助技術や医療・介護・福祉や最新の知識の向上に努めなければいけない。

6:資格保有者以外は社会福祉士を名乗ってはいけない
社会福祉士は、その資格を持つもののみが名乗ってよい「名称独占」資格となります。それとは別に「業務独占」と言って医師など、その資格を保持した者のみが業務を行える資格があります。いいかえると、社会福祉士の業務に関しては、その内容を指導・監督することで、無資格者であっても業務が可能というわけです。

■まとめ

社会福祉士の活躍する職場はいろいろありますが、どのような職場であれ、困った方の相談を聞いて助言・指導を通して、その人にあった相談援助をするために各機関と連携をとりながら自立援助につなげていくことが大切です。

福祉全般の相談業務の専門職として高齢者や障がい者などの自立に向けた役割を果たすことが社会福祉士には、最も重要な義務といえます。