褥瘡(じょくそう)は怖い病気です。身体への圧迫により血行が悪くなり、長時間そのままでいることで、発赤から傷(褥瘡)になってしまうのです。褥瘡が起きた身体の部位や傷の状態によっては、命の危険もでてくる病気なのです。褥瘡ができる部位は、骨の突起した箇所に多く見られます。今回はかかとに関して対策を考察していきたいと思います。
■踵(かかと)への圧迫
かかとへの褥瘡は、仰向けに寝た状態で多くみられます。仰向けの状態で注意しなければいけない箇所は、後頭部、背中、仙骨、かかとになります。寝たきりの方で身体を動かせるなら、体圧分散で右、左、うつ伏せなど、身体を動かすことで圧迫を緩和させます。
自身で動けない方は、介護する方が時間を決め、体圧分散をおこなうようにしてください。姿勢をあまり変えたりできない方は、その部位を浮かすようクッションを挟んで、上げることが必要になってきます。
ここで注意しておきたいのが、かかとを上げるということは、他の箇所(後頭部や背中、仙骨)に圧がかかるということです。あまり、かかとだけに集中すると他の部位で褥瘡が発生する可能性がありますので、全体をしっかり観察することが、必要となってきます。
■クッションで対策
病院などでは枕を使用する場合もありますが、角度が30度ぐらいの三角クッションや、寝痛み予防のエアークッションなど使用する方法もあります。ここで、使用を避けなければいけないのは、円坐のドーナツ型クッションになります。使用すると、圧迫が皮膚にあたる部分に加わってしまい、血行が悪くなってしまいますので、扱うことは避けてください。
■車椅子の場合
かかとの部分ですので寝ている状態の時だけに、圧がかかってしまうとは限らないです。車椅子に乗った状態でも、かかとに褥瘡ができる可能性があります。車椅子に乗っている状態で、自宅やお風呂上りなどに、素足で車いすに乗ると(座位の状態)、フットレスの硬い部分にかかとがあたり褥瘡になる場合があります。
車いすは、病院用とオーダーメイドで違いはでてきますが、フットレスのかかとにかかる圧迫は同じです。気を抜き、そのままの状態で乗ると簡単に褥瘡が発生してしまいます。素足で乗る場合、上記で説明したクッションやスポンジなどで、かかとにかかる圧迫を緩和させましょう。動ける方も動けない方も、プッシュアップ同様、膝を持ち上げて圧を逃がすことが効果的です。
■まとめ
褥瘡を発生させないために日頃から、自身の身体をケアしなければいけません。今回注目したのはかかとでしたが一か所に集中せず、しっかり全体を観察して他の箇所にも発生していないか見ることが重要になります。発生してしまったら、自身だけで考えず医師や、専門医の判断をしっかり仰ぐことも大切です。
褥瘡ケアには効率的な予防・改善を期待できる、Relafeelの併用も検討することをお勧めします。