褥瘡ケアで利用する軟膏とその塗り方

障がい者(車椅子)、高齢者(寝たきり)の方など、問題になる褥瘡。褥瘡は、発赤から始まり、傷になり、傷が深くなり(ポケット)、ここからは感染の疑いも出てくる怖い病気です。褥瘡の状態が悪くなれば、なるほど長期の入院が必要になり、移植などの手術を、繰り返すかもしれません。今回は、褥瘡になってしまった場合、そのの状態に応じ、的確な外用剤の使い方を考察していきます。

■軟膏その1:ヨードコート軟膏

褥瘡から感染した場合、褥瘡からの回復治療がかなり遅れます。感染のコントロールをいかに制御するかが、大切になります。

◎ヨードコート0.9%
ヨウ素(消毒液)含有する軟膏剤になり、感染の制御に有用な褥瘡薬剤です。褥瘡になり感染すると、浸出液が過剰になります。このため、湿潤環境を維持するため、滲出液の制御が必要になります。ヨードコート軟膏は高い吸水能を有するため、滲出液の感染の制御に適した軟膏となります。

◎塗り方
患部に直接塗布、またはガーゼにのばし貼付し、出液を吸収しゲル化(接着剤が液状からゼリー状に変化凝固)します。ゲル化した軟膏を除去することで、薬剤交換時の移乗従事者の負担を軽減できます。

■軟膏その2:アクトシン軟膏

感染と滲出液の制御により褥瘡治療の環境が整えたのと、肉芽形成促進作用に有する外用剤を使います。これがアクトシン軟膏です。

◎アクトシン軟膏3%
サイクリックAMPの誘導体で、ブクラデシンナトリウム(アクトシン軟膏3%)を含有する軟膏剤になります。肉芽を形成するため、褥瘡の適度な湿潤環境を保つことが大切です。

成分の作用以外、添加物に水溶性高分子等を含有し吸水性に優れ、滲出液が過剰な褥瘡や、滲出液がある、褥瘡に適します。水で洗い流す、洗浄性にも優れていますので、医療従事者の負担軽減と、清潔の保持にもなる軟膏になります。

◎塗り方
褥瘡の肉芽形成と表皮形成に有用な軟膏であるアクトシン。褥瘡治療の最終段階である、表皮形成時期は、肌が軽度乾燥傾向にあることが表皮形成が促進される傾向となることから、吸水性に優れる軟膏が必要となります。褥瘡治療の最終ステージの使用は一理あると思います。アクトシン軟膏の塗り方も、ヨードコート軟膏同様のの塗り方で使用します。

■まとめ

褥瘡は傷が浅いうちに軟膏を塗るなどできるかぎりのケアを自身で行うことが大切です。今は、大手の薬局チェーン店でも、優れたドレッシング材を手軽に入手することができますので、軟膏が手に入らない場合、そういったものを代用として使うのもいいでしょう。適切な処置を行えるように、医師の判断を仰ぐことも忘れないで対応していきましょう。

褥瘡ケアには効率的な予防・改善を期待できる、Relafeelの併用も検討することをお勧めします。