車椅子に乗っている障がい者の方達の、脊髄損傷者や頚損損傷者など、クラスにもよりますが、悩みは褥瘡といっていいでしょう。気を抜くと褥瘡になっていた事も、無きにしもあらずではないでしょうか。今回は車椅子に関係する褥瘡を解説していきたいと思います。
■褥瘡とは?
そもそも褥瘡とは何でしょうか?普段健常者の方達なら、寝ているときや座っているときなど、長時間の動かない行為に対し、体が反応し、必ずどこかで動いているはずなのです。そう、健常者の方達は神経から痛みを感じることができるので、脳が体に対し、適度に動いてくださいと促しているのです。
ですが、脊損の方や頚損の車いすの方など、首から下の神経が途切れていたり、おへその辺りから神経が途切れている方などは、神経が痛みを脳へ伝えないので、無意識レベルでの体を促すことができないのです。このため、常に一定の部分に圧力がかかっている状態となるのです。長時間そうしていると、そこが褥瘡になり、ひどくなれば、手術にもなりかねない大ごとに発展します。
■車椅子で褥瘡になるケースを理解しよう
それでは車椅子を利用する上で、どの行為から褥瘡が出来てしまうのか見ていきましょう。
◎車椅子からの移動時
一つ目の主な行為が『ぶつける』です。この行為は寝たきりの人や、起き上がって1人で動ける人などの場合関係ありませんが、車椅子を必要とし、そのお乗降時に身体の同じ個所などをぶつけていたら、そこから傷になり褥瘡に繋がることがあります。
例えば、車椅子からトイレの移動で便座におしりをぶつけたりすることもよくありますし、車での移動も、ほとんどの場合車椅子から降りて乗車することになります
◎車椅子そのものが褥瘡の原因を作る場合もある
二つ目の主な行為が、乗っている車椅子です。車椅子の方達は主にオーダーメイドと言う、自分にあった車椅子を製作してもらい乗っています。
作り方は業者が、障がい者の方と話し合って作りますが、座面高や座幅など、ここを上手く体に合わせて余裕を持たせないと、身体を圧迫する形になってしまったり、動きすぎることで身体が擦ったりしてしまうことが、褥瘡に繋がるのです。一見足を置くだけに見えるフットレストがあっていないだけでも褥瘡が発生します。例えば、お風呂上りなどに車椅子に乗りフットレストに直に足を長時間置いてしまい、褥瘡になる事も多々あるのです。
■まとめ
褥瘡はベッドに寝たきり生活を送る場合だけではなく、車椅子生活を送る人にとっても怖い病気と捉えるべきです。一旦褥瘡になってしまうと、長期間の入院や度重なる手術などメンタル的にもまいってしまいます。車椅子に乗っている方や、寝たきりの人でも、とにかくこまめなチェックなどが必要です。癖になると褥瘡ばっかり作ってしまう体になるかもしれません。そうならないためにも、日ごろから体をチェックできる環境づくりを整えていく事が望ましいです。
褥瘡ケアには効率的な予防・改善を期待できる、Relafeelの併用も検討することをお勧めします。