デブリードマンによる褥瘡の治療で局所麻酔を用い原則として優先されるのは保存的治療ですが、皮下組織より深層に達している床ずれは保存的治療が適さない場合があり外科的な施術を考慮しなければなりません。今回は局所麻酔の必要性についてみていきましょう。
■局所麻酔薬とは?
局所麻酔とはどのような場合の用途で使われるのでしょうか? 局所麻酔とは基本として部分的な痛みを取り除く麻酔です。外傷の少ない手術や簡易オペや女性では帝王切開や乳がんなどで使用することがあります。この局所麻酔薬は基本的に部分的に麻酔なので意識がある状態に多少の違和感があり痛みはないです。最近では、歯科医院でも頻繁に使われています。
■デブリードマンによる褥瘡の治療で局所麻酔を行う事例
◎感染・炎症がある場合にデブリードマンを行ってよいか?
・膿汁などの悪臭や骨髄炎に関連した感染巣に対してはデブリードマンを行うことは可能です。(局所麻酔使用可能)
◎壊死がある場合の外科的デブリードマン施術の時期
・壊死箇所と周囲の健常な組織とが区別できるようになった時期にデブリードマンを行うことは可能です。(局所麻酔使用可能)
・感染が沈静化しているときに外科的デブリードマンを行うことは可能です。(局所麻酔使用可能)
◎ポケットがある場合はデブリードマンを行ってもよいか?
・保存的治療で症状が良くならないポケットには、デブリードマンや切開を行うことは可能です。(局所麻酔使用可能)
◎どのような場合に外科的デブリードマンの適応となるか
・創の深さが皮下組織以上に達する場合は、デブリードマンを行うことは可能です。(局所麻酔使用可能)
◎どのような場合に外科的再建術をやるのか
・保存的治療に応じない皮下組織以上に達した褥瘡に対し再建術を行うことは可能です。
・創周囲の組織が古くなり色素沈着や陥没または隆起している場合に再建術を行うことは可能です。
・骨髄炎を治療する際の切除や皮弁による再建術を行うことは可能です。
◎有効な外科的再建術
・外科的再建術には色々な術式や閉鎖法があります。
◎肉芽組織が少量の場合の物理療法
・壊死組織や感染のある創に対しては、陰圧閉鎖療法を行うことは可能です。
■褥瘡予防
今回は、デブリードマン施術での局所麻酔を見てきましたが、褥瘡はつらい病ですので、日頃からケアや簡易的なスキンケアが、必要となります。