敗血症は治る 感染症に対応するスピードが完治のカギ

敗血症は、他の感染症が元で起こる全身への重篤症。きっかけが小さな傷や感染症であっても、その細菌が血液にのって全身にいきわたることで死に至る可能性もある危険な病気です。

発見を出来るだけ早くし、全身感染の判断と対処を行う事で、重篤化を防ぐことができます。

○感染部位のケアを慎重に
敗血症を引き起こす原因は、主に限定した損傷個所から感染した特定の細菌です。局所で感染した細菌が、免疫力の低下や特定の慢性疾患と重なって、反応箇所が全身に広がります。

毎日寝たきりの状態で過ごしている患者の場合は、一か所だけではなく全身くまなく観察して、新たに発症した創傷箇所(褥瘡)がないか、また熱感や疼痛、腫張などの炎症兆候がないかを随時確認することが全身感染を防ぐ事に繋がります。治るべきところで傷と感染をとどめておくこと、感染の広がりを最小限で食い止める細やかな処置が大切です。

敗血症を起こさないためには、まず感染症状がでた箇所を集中してケアし、清潔な状態を保つこと。そして細菌に打ち勝つだけの体力と充分な栄養を備え、健康状態を維持しておきましょう。

○敗血症によって起こる症状
感染箇所が熱を帯び、赤みが出るという局所症状が進行して現れる全身反応には
・体温の上昇(発熱状態が続く)または低体温症・心拍数の増加・白血球数の異常上昇・呼吸数の増加 があります。

これらの症状が出た場合には、直ちに局所治療から全身治療に切り替えて、抗菌薬の全身投与を行う必要があります。

○褥瘡患者が感染しやすいのは
褥瘡の場合、皮膚の表皮組織が炎症で欠損すると、体内への菌侵入を防ぐことが非常に難しくなります。褥瘡が発症しやすい臀部や仙骨部分は、特に創傷が広範囲、深部に至りやすく、排泄物によって汚れやすい箇所です。

そのため、感染の起炎菌は、溶連菌や黄色ブドウ球菌、腸内細菌や嫌気性ガス産生菌となる場合が多いのが特徴です。

●全身投与を行う時は起炎菌に対処する薬を
単に抗生物質を投与して経過を見れば、自然に回復する場合もありますが、元となる菌を撃退する効果のある抗菌薬を投与する集中治療が主となります。

様々な検査の結果を待って適切な処置を行いたい所ですが、敗血症や菌血症は直ちに治療を行わねばなりません。重篤化して敗血症ショックの状態になる前にスピード対処を行えば、その分治る確率も充分に高くなります。

仮に全身感染の危機的状態を脱しても、体内で合併症を引き起こす可能性もありますので、健全な状態に回復させるためにも、敗血症が治るためには、感染源を根絶する処置と対応の速さが非常に大切です。