血行促進だけじゃない 入浴すると得られる効果は?

寒い日が続くと、全身をゆっくり湯船に浸けてからだを温めたくなりますね。
冷えた体を暖かいお風呂に浸すと、体の芯からほぐれていくような感覚があるでしょう。
入浴には、体を清潔に保つという目的をもって「洗浄」を意識する人が多いでしょうが、全身を温めることで血行が促進され、体に良い効果をもたらします。
入浴と血行促進にどんな関係があり、得られる効果を知っておくと、体に不調を感じた時に対処しやすくなります。
日常の疲れを溜めず、規則正しい生活に整えるために、入浴と自律神経の関係を知っておきましょう。


○血行促進には入浴時に湯船へ浸かるのが吉
体が疲れ切ってしまったとき、お風呂にお湯を張る時間を待つより、さっさと入浴を済ませてゆっくり寝たい…という衝動に駆られるのも分かります。
しかし、疲れた時こそ湯船に浸かって、体を温めるようにしましょう。

 
●冷えた体を温めて血行を促進すると
人は、活動的なときには交感神経が働き、興奮状態になります。
頭を冴えさせて、体をしっかり動かすためには交感神経優位の状態をキープしておくことが大切です。
しかし、交感神経が優位になっている間、体の血管は緊張で狭くなり、血流が控えられます。
そのため体温が下がりやすく、体に冷えを感じやすくなります。
仕事で神経を集中させた状態が長くなり、緊張が続けば、疲労度も増します。
血行が悪く、体の中で発生した老廃物の排出がうまく行かずに、疲労物質が溜まりやすくなるためです。
そこで、緊張から解放されるためのスイッチとして、入浴がおすすめなのです。
全身を温めて体温が上がると、血行も促進されます。
血のめぐりが良くなれば溜まった老廃物を押し流しやすくなり、疲労解消も促進されます。

 
〇入浴で筋肉の緊張をほぐして血行促進を
一日中動き回った体は、筋肉を動かし続けて疲労しています。
また、重力によって血流が足元に溜まりやすくなるため、夕方になると足がむくむという人もいるでしょう。
足もとに滞留した血液や水分を、しっかりと心臓や排出器官に戻すために、入浴をして血行を促進させましょう。足が軽くなり、ふくらはぎにやわらかさが戻ります。
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほど、筋肉の動きによって血流を上半身にプッシュアップする機能を備えています。また、足首が冷えると筋が緊張してこり固まったようになります。
下半身を入浴でしっかり温めて、ふくらはぎや足首の冷えとコリを和らげましょう。
一気に血行が良くなり、体が温まります。
体が温まると、副交感神経優位になりやすく、体を休めるための安眠効果が高くなります。
日が昇って活動をし、日が沈んで夜になったら体を安静モードにする。
この切り替えを担う自律神経を正常に保ち、活動と休息のスイッチを正しく切り替えるためにも、入浴をして全身の血行促進を心がけましょう。