「初任者研修」という言葉をご存知ですか?最近では現場でもこの言葉が浸透してきましたが、介護分野へ就職したばかりの方や5~10年以上前から介護の仕事をしている方は知らない場合も少ないのではないでしょうか?
○初任者研修とは?
初任者研修とは「介護職員初任者研修」の略称です。ネーミングが長いため、現場では初任者研修と言われることがほとんどでしょう。
平成25年4月1日に改正された介護保険規則によってホームヘルパー2級に相当する資格として新しく創設されました。
資格ではなく「研修」となっていますが、修了すればもちろん履歴書に記入できますし、就職先から修了証明書の提出を求められる場合もあります。
○以前までの介護資格制度
介護職員初任者研修の制度ができるまではホームヘルパー2級、ホームヘルパー1級、介護職員基礎研修という3つの資格・研修がありました。
これらの研修では国家資格である介護福祉士を取得するまでの学習ルートがわかりづらく、学習科目も重複したり、逆に不足している科目もあったという背景がありました。
そこで、介護職員が介護福祉士を目指すための過程として以前までの3つの資格・研修が廃止されて介護職員初任者研修制度が創設されたのです。
○介護職員初任者研修を受講するとどのような職場で働けるの?
ホームヘルパーとは在宅に赴いて介護サービスを提供する「訪問介護」を行う職種を指していました。介護職員初任者研修はこの訪問介護に加えて老人ホームやデイサービスなどの入居・通所サービスにおいても役立つスキルを学んでいきます。
そのため、介護職員としての募集であればどのような職場でも基本的に働くことが可能です。ただし入居サービスは夜勤業務がありますし、通所サービスは車での送迎業務があります。
訪問介護はひとりで業務を行うため、「急変時に適切な対応ができるのか不安」という方もおられます。介護職員の募集でも職場によって仕事が異なるため、事前に仕事内容について確認をしておきましょう。
○介護職員初任者研修の措置制度
既にホームヘルパー2級・1級などの資格を取得している方は研修過程の免除などがあります。
●ホームヘルパー1・2 級、介護職員基
礎研修修了者…介護職員初任者研修の修了要件を満たしているとして扱う
●介護職員として実務経験かある…
研修と同等の知識を有していると認められる
者に関しては、研修課程の一部が免除される
●看護師等の資格を有している者…介護職員初任者研修修了の要件を満たしているとして扱う
●介護職員実務者研修の修了者…都道府県の判断により、全科目を免除することができる