寒くなったら無性に体のいたるところがかゆくなる!という経験をしたことがありませんか。冬になると、乾燥した皮膚に外的刺激が加わってかゆみを引き起こすことがあります。
刺激と肌の状態が密接にかかわって「かゆみ」という症状を起こしていることが分かりますよね。
〇血行促進するとかゆくなる理由
冬場になると、外気が冷たくなり、体の冷えが起こります。体が冷えると血行が悪くなりますし、末端に行けば行くほど血管が細くなって血液量が十分に廻りません。
●環境が急に変わって血流促進すると
例えば、冬の寒い部屋から暖かい部屋に移ったり、寒い外を走って移動したり、温かい浴室に入ってお風呂につかった瞬間など、突然体が温まって全身の血行が良くなる状態を想像してみてください。
冷えた部分に一気に血流が行き届くと、かゆみをひきおこしやすくなります。ヒスタミンという物質とかゆみの作用に関係があるといわれています。そのため、冬のかゆみ対策に効果的な市販薬には「抗ヒスタミン成分」が含まれているものが多いです。
●運動や入浴による血行促進と発汗
血行が促進すると、発汗作用も促されます。汗をかいたあとにかゆみを感じる人も多いですが、これは、皮膚の上から汗が蒸発していく過程で肌の潤いが失われるために起こる、皮膚の乾燥が原因でしょう。
汗がサーっと引く感覚を感じたら、肌の上にある汗が一気に蒸発を始めているサインです。汗が蒸発し始めると、体温を一気に奪うので体が冷えて血行が落ち着き、さらに冷えると血流が少なくなって寒さを感じるでしょう。
乾燥が起こると、外的な刺激をうけやすくなり、その刺激によってかゆみが起こります。空気が乾燥することによっておこる静電気も、乾いた皮膚にとっては大きな刺激です。
〇血行促進によるかゆみを減らすには
ヒスタミンの分泌よっておこるかゆみを抑えるために、薬を用いるのはひとつの有効な手段です。そして、もっとも大切なのは、新たに刺激を増やさない、かきむしらないことです。
●かゆみは掻いて良くならない
刺激によっておこるかゆみは、一度掻くと気持ちよく感じますが、そのかゆみが無くなるわけではありません。さらに掻きむしりたくなる衝動が起こります。掻き壊して皮膚が傷ついたり、水疱ができる人もいます。
とにかく、かゆいからといってかきむしらないのが重要です。そして、皮膚の乾燥状態を取り除き、潤いを与えるような処置(クリームを塗る、保湿剤をつけるなど)を行いましょう。
刺激を取り除いて、かゆみをおさえる保湿を行うようにしましょう。