作業療法士の就職先で違ってくる仕事の内容とは?

作業療法士

作業療法士とは、身体に障がいがある方に対して、さまざまな作業を取り入れた訓練を行い、元の生活に戻れるようにリハビリテーションを提供する専門職です。

○理学療法士と作業療法士の違いは?
よく疑問に思われることが理学療法士と作業療法士の違いです。
一般的に理学療法士は関節痛や筋肉痛みの軽減や立ち上がり動作、歩行動作の回復といった基本的な身体への障害に対してアプローチしていきます。
一方で作業療法士は食事動作や料理を作る動作といった社会的に適応できる能力を高められるように応用動作に関してアプローチをしていきます。
養成校では上記の内容を中心に学習をしていきますが、就職して臨床の現場にでると仕事内容はその職場によって大きく変わってきます。

○作業療法士の仕事内容は就職先によって違う!
養成校では作業療法士として働くために必要な知識や技能の基本を一通り学んでいきます。作業療法士の主な就職先は病院や介護分野ですが、病院といっても救急病院やリハビリ病院、整形外科、脳外科、脳神経外科、内科、精神科など、さまざまです。
その病院の診療科目で診療を受ける患者様または入院をされた患者様に対してリハビリを行うので、就職先によって仕事内容や必要な知識・技能が違います。その一部を紹介します。

●リハビリテーション病院(回復期病棟)
リハビリテーションに特化したリハビリテーション病院では理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のリハビリスタッフだけでも約50~100人が在籍しています。
1人の患者様に2~3職種のリハビリスタッフが対応するため、理学療法士は歩行訓練、作業療法士は手の訓練といった具合にはっきりと役割分担が別れている場合が多いのが特徴です。

●整形外科
入院では骨折の患者様に対するリハビリが多くなります。特に橈骨遠位端骨折と呼ばれる手首の骨折を担当することが多いようです。外来で通院される患者様は四十肩やリウマチといった慢性疾患の方が多いです。

●脳外科
脳梗塞や脳出血の後遺症で身体半身に麻痺が残る場合があります。運動・感覚の麻痺に対するリハビリテーションが主な仕事になります。

●精神科
作業療法士は精神科でリハビリテーションの報酬を算定できるため、求人募集があります。(理学療法士では算定できません)集団でのレクリエーションを中心に訓練を行います。

●介護分野
デイサービスや訪問リハビリ、介護老人保健施設といった介護分野はリハビリスタッフが少ないことが特徴です。そのため、作業療法士が歩行訓練、手指の訓練、嚥下(食物を取り込む)訓練などオールマイティな知識や技能が必要となります。
また、介護スタッフに対して技術的な助言や指導を行うこともあります。