介護支援や総合的な介護のアドバイス、ケアプランの作成を行うケアマネジャーには、「居宅ケアマネジャー」と「施設ケアマネジャー」という勤務先の違いで、大きく分けて2つのタイプがあります。
それぞれ仕事内容が異なる部分もあるので、今回は2つのケアマネジャーの違いを比較してみましょう!
・居宅ケアマネジャーの仕事
居宅と呼ばれているように、居宅支援事業所に所属して居宅介護を受ける方を対象としたケアマネージメントを担当することになります。
利用者さんのお宅に訪問することはありますが、介護業務は訪問介護員やデイサービス職員が行うため、介護業務に携わることはほとんどありません。
ケアプランの作成など、ケアマネジャーとしての仕事は、居宅でも施設でも違いはありませんが、他の事業所の相談員や、医師、サービス提供責任者といった様々な人と連携して、ケアカンファレンスやモニタリングを行う必要があり、利用者さんに応じて、毎回関わる人達が変わるため、コミュニケーション能力の高さが求められるでしょう。
また、介護施設に比べてケアプランの選択肢も多いため、介護サービスの知識も必要ですし、常に最新の情報を入れる努力も求められます。
居宅ケアマネジャーは、一人当たり35名の利用者さんを受け持つことができますが、居宅支援事業所に所属するケアマネジャーの場合、十数名を受け持つのが平均なので、親身になってサポートできる環境にあります。
・施設ケアマネジャーの仕事
施設ケアマネジャーと呼ばれる人は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料の老人ホーム、グループホームなどの施設に勤務するケアマネジャーを指しています。
施設ケアマネジャーの多くは、施設内で介護職や生活相談員を兼任している場合が多く、施設内の介護業務にも携わっています。
そのため小規模な施設になると、介護職員として他の介護士と同様、夜勤をすることもあります。
ケアマネジャーとしての仕事はやはり、居宅ケアマネジャーと同様ケアプランの作成などが中心となりますが、施設の方針を考慮してのケアプランが基本となりますし、施設内でどのように介護をするかといった計画を、ご家族や施設内の介護職員と共に考えるかたちになります。
そして、決定事項を施設内スタッフに伝え、指導する役割を担います。各施設の専属ケアマネジャーになるので、受け持つ利用者さんの数は施設の規模に左右されます。大きな施設では、入居者が50人近くいることもあるので、一人で担当すると親身になって接することは難しくなります。
しかし、逆に小さな施設では、居宅ケアマネジャーと同じぐらいの少ない人数のみを受け持つ場合もあります。
その場合は、介護職員自体が少ない場合が多いので、兼任している介護職員として介護業務も多い可能性も高いかもしれません。
・まとめ
ケアマネジャーとして働く場合、「居宅ケアマネジャー」と「施設ケアマネジャー」という2つの勤務先に分けられます。居宅ケアマネジャーの場合は、ケアマネジャーの仕事のみで介護業務に携わることはほとんどないのに対し、施設ケアマネジャーの場合は介護職や生活相談員を兼ねている場合が多く、介護業務に携わっています。
また、勤務先の規模に応じて受け持つ利用者さんの人数も異なるので、どれだけ親身になってケアマネジャーという仕事を行いたいかという点も比較して決めるべきでしょう。ケアプランの作成までに関わる人達や人数も異なり、介護サービスの知識や情報量という点にも影響しています。今までの介護職員としての経験をどのように活かしたいか、また今後ケアマネジャーとして、どのように働きたいかなどを考慮したうえで、居宅か施設か決めてみて下さい。