重症な疾患や、流行性の病が原因となって、その特有の症状とは別の危篤状態を招くケースがあります。
一般的には、合併症がよく知られていますが、敗血症への注意と経過観察も非常に重要です。敗血症は、局所の創傷治療から進展し、血流にのって全身に転移していきます。いち早く敗血症を疑い、治療を開始することが望ましいといわれており、効果のある薬を投与しなければ回復は見込めません。
〇身近に潜む敗血症の危険
重篤な病気がもととなって処置や集中治療を行っている場合、全身反応の現れや危機的状況異変にたいして、ある程度の心構えと緊張感が伴っている時間が長いため、対処や覚悟が想像できます。
しかし敗血症は、局所の損傷や体一部の疾患(悪性腫瘍や褥瘡、肝臓や腎臓などの内臓疾患を治療しているさなかに併発することがあり、その原因が特定しにくいこともあります。
●基礎疾患治療の薬が敗血症の原因になることも
敗血症は、一部で起こっている感染や、傷口からウイルスに感染し、その感染源が血流によって全身に回ることで症状を引き起こします。
糖尿病や悪性腫瘍など、長期的・継続的に治療薬を投与していると、ある病原を攻撃する特効薬の効用によって、血液成分に変化を起こすことがあります。
●血液成分の変化と特徴
がん細胞の増殖を防ぐために、抗がん剤を投与すると、血中成分のうち白血球数が大幅に減少します。薬に対する免疫を防ぐと同時に、あらゆる感染の元(ウイルス・細菌)に対しても体の抵抗力を失ってしまうため、通常よりもずっと感染リスクが高まるのです。
また、腎臓や肝臓などの消化器官や体内解毒作用を担う臓器の疾患には、免疫制御薬や副腎皮質ホルモン薬を用いるため、同様に感染リスクが上昇します。
〇敗血症を起こしやすい病気は
感染ウィルスが血液中に入りやすい、感染しやすい環境にある症状に対する治療をしている患者は、敗血症になりやすいといえます。
バリア機能が失われた重度の褥瘡や、尿路感染を起こしやすい腎盂炎、肺炎などの呼吸器感染症など、あらゆる病気や感染症に対して、敗血症リスクが伴います。
●敗血症を治すための処方薬は
敗血症と診断された場合は、感染ウイルスの毒素によって、血液中の水分や栄養が外に漏れでている状態になることが多く、十分な水分(生理食塩水)と輸血が必要です。
そして、感染した血液を正常に戻すため、血液浄化や循環作動薬(昇圧剤)を使用すこともあります。しかし、これらは症状を悪化させない措置であって、特効役ではありません。
もっとも大切なのは、感染源に効果がある薬を早く投与して、感染を広げないことです。そのためには、様々な感染リスクを考えて目星をつけ、抗生薬を特定するスピードが重要になります。
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