ケアマネジャーの研修に掛かる費用とは?

介護の業界で働く人なら、耳にした事が無いという人はいないであろう資格が、ケアマネジャーです。施設の中の司令塔的な役割を持つこのケアマネジャーになる事を、目標にしている人も多いと思います。今回はこのケアマネジャーの研修に掛かる費用について解説します。

ケアマネジャーの試験や研修の費用は地域差があるため、今回は東京都を例に見てみましょう。

そもそもケアマネジャーとはどんな仕事?

ケアマネジャーと言うのは、2000年(平成12)に介護保険制度が開始された際に創設された資格で、正式には「介護支援専門員」という名称です。(ここではケアマネジャーと言う呼称を使います)

ケアマネジャーの仕事は、医療や福祉・介護保険制度に精通した上で、支援を必要とする人、各々にあったケアプランを作成する事、またその為に必要なサービスを提供する施設や業者との間に立って橋渡し役をする事です。

ケアマネジャーの資格を取得するには?

ケアマネジャーの資格を取得するにはまず、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、その後の「実務研修」を修了し、各都道府県の介護支援専門員名簿に登録する事で、「介護支援専門員証」の交付を受ける必要があります。

その、介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格についても少し触れたいと思います。

条件1.医師、歯科医師、介護師、その他の資格を持ち、実務を5年以上経験している事。

条件2.支援相談員、相談支援専門員、生活相談員などの相談業務の実務を5年以上経験している事。

があります。これだけでもハードルがかなり高い資格である事がお判りいただけたと思いますが、ケアマネジャーになるには、資格試験合格後の研修修了も必要です。

実務研修は87時間に及ぶ講義・実演・実習からなります。講義の内容は、関連法令や、介護の様々な部署との連携の方法など、実に多岐に及びます。

実演では具体的な技術を習得し、実習で介護を必要としている人のニーズの把握やケアプランの作成方法などを学びます。そして最後に、研修評価(試験)があり、無事、合格すれば「研修修了書」が交付されます。

〇介護支援専門員資格取得にかかる費用(東京都の場合)

・介護支援専門員実務研修受講試験 手数料:12,800円(※コンビニエンスストアへの振込手数料として別途100円必要)
・資格試験合格後の実務研修:52,800円

実施は各都道府県の社会福祉協議会などとなっています。また受験する地域は、自由に選べるわけではありません。

【受験地の選択ついて】
申込時点で受験資格対象業務に従事している場合勤務地がある都道府県
申込時点で受験資格対象業務に従事していない場合住所がある都道府県

参照:東京都介護支援専門員 実務研修受講試験(公益財団法人 東京都福祉保健財団)

晴れてケアマネジャーになってもまだ終わりじゃない

試験に合格して研修も修了し、各都道府県の介護支援専門員名簿に登録が済んで施設でケアマネジャーとして働き始めても、それで終わりではありません。ケアマネジャーには、5年に一度の更新研修が義務付けられているのです。

更新はケアマネジャーとして実際に業務に従事しているか否かで、実務を経験した者と、実務の未経験者に分かれます。このうち、実務を経験した者は専門研修Ⅰ及びⅡを受講する事で免許の更新が可能です。

東京都の場合

【更新に必要な研修について】

〇実務経験が無い場合(現在の介護支援専門員資格証 有効期間中)

研修時間は54時間です。対象者となるのは、実務未経験者で、今後、介護支援専門員証が必要な業務に従事する予定がある方で、現在お持ちの介護支援専門員証の有効期間内に受講する必要があります。
受講料 28,500円

〇実務経験がある場合(現在の介護支援専門員資格証 有効期間中)
実務経験がある方の場合は、更新回数や、有効期間内に修了した専門研修の種類によって、更新に必要な研修が異なります。

・更新研修(実務経験者)88時間 → 受講料(記載なし)
・更新研修(実務経験者)32時間 → 受講料(記載なし)
・専門研修Ⅰ → 受講料 34,500円
・専門研修Ⅱ → 受講料 23,800円

どの研修を受けたらいいのか、東京都のフローチャートを利用するとわかりやすいので、ご参照ください。
参照ページ:介護支援専門員証 更新のための研修フローチャート(公益財団法人 東京福祉保健財団)

〇介護支援専門員証が失効している場合(再研修)
研修時間は54時間です。実務経験が無い方向けの更新研修と同じものを受講します。
受講料 28,500円

【最新の情報は各都道府県研修実施団体のウェブサイトでご確認ください。】

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、ケアマネジャーになるまでと、なった後に必要な5年に一度の更新についてお伝えしました。ケアマネジャーを目指している人に、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。