自宅で家族の介護をしている時に、肩甲骨やお尻の上の肌に赤みが出ていることはありませんか?
ずっと寝た状態の場合、骨と寝具が接する場所へ体重が集中するため自分で体位変換ができない場合は圧迫されたままの状態です。
そうなると毛細血管が押しつぶされることで血流が悪くなり、皮膚組織は壊死して床ずれという状態になってしまいます。
床ずれの原因
床ずれは、毛細血管内圧(32mmHg)を超えた圧迫が一定時間(2時間程度)持続した場合に、その部分の血行が途絶えることで皮膚の組織が破壊されて発症します。
圧迫以外の要因
床ずれは圧迫され続けるだけでなく、様々な要因が重なって起きる場合もあります。
・摩擦によるもの
例えば車椅子への移乗の際や背上げの際のスレや、衣類やシーツなどのしわによる摩擦なども原因となります。
肌に直接触れるものは綿素材の柔らかいものを選択し、できるだけ衣類やシーツはしわを作らないようにする必要があります。ただしのり付けなどはしないほうが良いでしょう。
・湿気によるもの
食べこぼし、汗や失禁などで衣類や布団に湿気があり不潔な環境の場合は床ずれを起こしやすいだけでなく細菌感染の原因にもなります。
皮膚がふやけて湿り気のある状態も床ずれの原因になります。
オムツを使用している場合は通気性を重視し、表面がさらさらになる吸水力の高いタイプのものを選びましょう。
・栄養不良によるもの
栄養の偏りや不足は抵抗力を低下させ貧血などの原因にもなります。
栄養状態が悪いことで皮膚組織の壊死を起こしやすくなりますので栄養をしっかりバランス良く摂るようにしましょう。
ビタミン、ミネラル、良質なたんぱく質などを規則正しく摂取することが大切です。水分補給も怠らないようにしましょう。
床ずれの初期症状
痛みやかゆみを初期症状として感じることが多いですが、麻痺のある人の場合は感じないことがあるので注意して皮膚観察することが必要です。
床ずれのできやすいお尻、背中、腰、肩、かかとなど皮膚が赤くなっていたり、水ぶくれが出来ている場合は床ずれを疑って見ましょう。
床ずれが起こりやすい場所
骨突出部分に起こりやすいという特徴があります。体重の約40%弱という圧力が加わる仙骨部は発症する危険性が特に高い場所です。
床ずれ解消のためには
床ずれになりやすい場所の一つにかかとがあります。血流がもともと少ない場所なので、一般的にも冬場に肌がひび割れを起こしやすい場所でもあります。
血流は回復に加えて促進していくことが必要です。
マッサージで体のこりをほぐしてあげることで、床ずれの予防・解消に導くことができるでしょう。
圧迫を取り、清潔な環境で栄養をしっかり摂ること。それに血流を促すマッサージを加えてみましょう。