ケアマネジャーの実務研修で学ぶ「アセスメント」とは何?

ケアマネジャーの資格に合格すると実務研修でアセスメントを学ぶ機会があります。そして、そのアセスメントにはいくつかの様式があります。アセスメントとは何かを確認しながら、様式についても見てみましょう!

・介護におけるアセスメントとは?

アセスメントという言葉は一般的に査定、評価という意味で使われますが、介護におけるアセスメントとは、介護課程の第一段階、利用者さんとの打ち合わせの際などに、利用者さんが何を求めているのかを正しく知って、残存能力や現在実施されているサービス、生活環境などを確認し、利用者さんの抱える問題を整理し分析していくこと、評価していくことです。
介護を行う前にアセスメントを行い、ニーズを把握し課題分析することで、どのような介護プランを立てられるかの検討をしていきます。

・アセスメント様式

アセスメントを行い、課題の分析にあたっては、アセスメントシートを基に利用者さんやご家族からヒアリングを行うことになります。

このシートは厚生労働省が提示している「課題分析標準項目」の23項目を使用するのが通例です。この中には、基本情報に関する項目9項目+課題分析に関する項目14項目が含まれます。
法令では、「~課題分析は、介護支援専門員の個人的な考え方や手法のみに行われてはならず、その者の課題を客観的に抽出するための手法として合理的なものと認められる適切な方法を用いなければならない」とあり、この項目を満たしていれば、他のアセスメントツールを使用することも認められており、実際に複数の様式があります。

また、熟練したケアマネジャーの中には、独自に作成している方もおられます。しかし、自治体によっては指定がある場合もあるので確認が必要です。

・実務研修でのアセスメントシート様式は?

実務研修でのアセスメント演習で、早速アセスメントシートを使うことになりますが、アセスメント様式が何種類もあるため、どれを使うか悩む方も多いようです。
基本的には上記であげたように、「課題分析標準項目」の23項目を満たしているツールであれば、どれを選んでも問題ありません。

あとは、今後のことや自分のことを考えて選ぶと良いでしょう。例えば、既に働いている職場でケアマネジャーとして働くことが決まっているのであれば、その事業所や先輩方が使っているアセスメントシートを教えてもらうと良いかもしれません。
そうすれば実際的な研修になりますし、分からない部分を先輩方に聞きやすくもなります。また、自分でシートを比較して選ぶ際には、自分が不得手と思う分野を補ってくれる内容のものを選ぶのも良いかもしれません。

様々な利用者さんのアセスメントを行うわけですから、その人に応じたプランを立てられるようにするためには、偏った見方にならないよう、また見抜きにくい問題を客観的に見抜けるようなシートが最適だからです。

・まとめ

ケアマネジャーの実務研修では、ケアプランの作成をするための重要な役割を担うアセスメントの演習を行います。
アセスメントによって、利用者さんの問題や生活環境を把握し、分析、評価して適切な介護サービスを提供することができます。アセスメントの際には数あるアセスメント様式から、ひとつを選んでツールとして用いることになりますが、「課題分析標準項目」の23項目を満たしていれば、自分で作成したものでも問題なく使えます。

ただ、経験がない早い段階から自分で作成したものを使うのは難しいでしょう。自治体や勤務先で使われているものを基にすることや、自分の苦手な分野を補ってくれるシートを使うことをおススメします。どんな様式を使うにしても、利用者さんにとってより良い介護サービスを提供するという目的を忘れずに実務研修で学んでいって下さいね。