介護支援専門員実務研修受講試験を合格した後の実務研修及び介護支援専門員の業務内容も合わせて解説していきます。
■実務研修とは
実務研修は、新しく資格を習得した介護支援専門員への教育や訓練内容を計画し、必要な知識及び技能を習得することを目的としています。
具体的には利用者のご自宅へ訪問し、介護のプラン検討するためのケアプラン作成や、介護の経過を観察・評価するためのモニタリング方法などを検討したり、介護者の利用するデイサービス等の各種介護サービスの現場に出向き、ニーズを正しく知り、介護者の抱える問題を整理し分析し、より適切なサービスを提供する元となるアセスメントを取ったりします。また、すでに活躍している介護支援専門員の業務を受託させてもらったりすることを通じて、ケアマネジメントに関する様々な専門知識やスキルを学習し、アセスメントの実施、居宅サービス計画書の作成、サービス担当者会議の準備・同席、給付管理業務の方法など一連の介護支援サービスの実習を行います。
実務研修は国が決めたカリキュラムに沿って行われます。実務研修の実施時期は都道府県によって異なり、研修に必要とされる時間は44時間以上。研修に必要とされている期間は6日間と設定されています。また実務研修は通常、前期・後期に分けて実施されます。(都道府県により研修期間が異なる場合があるため要確認)
研修は、介護支援専門員指導者や大学教員など、他にも県・市区町村の行政担当職員等が講義を行います。実務研修課程を終わると、自身が住んでいる地域の登録センターで介護支援専門員の「登録手続き」を行う事ができます。尚「介護支援専門員証」は都道府県知事に対して申請を行い交付されます。これで晴れて介護支援専門員の業務を行う事ができるのです。
■実務研修で人脈作り
利用者にあったサービスの提供のためには、介護をはじめとする法律の知識はもちろんの事、老人福祉や、障害保障、生活保護など、幅広い知識が必要となり、また利用者の住んでいる自治体独自の取り組みも確認しておく必要があります。
都道府県によって異なりますが、障害者申請によって外出の際のガソリン代補助が受けられたり、おむつの現品支給や医療控除が受けられたりする自治体もあるのです。
地域包括支援センターや介護保険事業者、医療機関、民生委員、ボランティア団体など、介護支援専門員1人で問題を背負いこまずに協力してもらいましょう。
個人の判断能力によって働く事が多い居宅ケアマネジャーは、広範囲にきめ細かくアンテナを張り、ここぞというときに力になってくれたり、「こういう情報があるよ」と教えてもらえるような人脈を作る事も大切なのです。