病床に長く付した状態の患者は、それぞれに体調や四肢の可動レベル、また安静を必要とするのかそれとも身体機能的に自立稼働が困難なのか・・・持ち合わせている寝たきりの要件や条件が異なります。
その寝たきりの姿勢で過ごすなかで、どのような点に注意して看護計画を立てねばならないか、などの病気の状況確認として使用される「ブレーデンスケール」の項目を見ながら判断していきます。
○病気や経過を見ながらマットレスをチョイス
寝たきりの人にとって、寝た姿勢を快適に過ごすために欠かせないのがマットレスです。ずっと寝た姿勢が長くなると、自分の体圧によって、突出している骨の部分に加重がかかり、それが褥瘡の根源となります。ベッド上で自力体位の変換ができるかどうかというのが大きなポイントで、その身体機能は病気の重度・軽度や損傷個所によって大きく異なります。
●急性の臥床状態の場合
病気が突発的に発症し、緊急を要すときは、挿管中や継続的な鎮痛剤の投与を行っている・昏睡状態またはショック状態を引き起こす病気の場合は、自力体位変換はまず難しいでしょう。
●慢性臥床状態の病気である場合
四肢を動かす・体幹を動かす・傾眠傾向が強い・下半身のむくみがひどく体位変換の際には介助が必要。このような場合には、自力での体位変換は限られます。マットレスをえらぶ時には、通常最適といわれている体圧分散マットレスとは別に、患者の様子や病気のレベルに応じて選択するようにします。
○ブレーデンスケールとは
症状や皮膚の状態、活動性、可動性、栄養状態、摩擦とずれの状態を確認しながら、病気のレベルと寝たきりの状況を中心に褥瘡のケア方針やレベル指標となるのがブレーデンスケールです。
特に、知覚の認知・活動性・可動性の三項目は、身体機能を図るうえでとても重要な指標となります。それぞれ4段階に分かれており、障害レベルや可動体動の制限有無、圧迫や不快感に対しての適切な反応があるかなど、褥瘡を予防するうえで必要な条件をランク分けすることができます。そして、可動や活動レベルに応じてマットレスをえらび、必要な処置の方法と対策をとることができるようになっています。
終始寝たきりの状態であれば、体圧分散マットレスは効果的です。しかし、その素材や種類によって分散効果も違います。やわらかい交換フォームマットレスでは腰痛が出やすい・圧切換型エアマットは体が沈んでしまって体位変換ができづらく蒸れる、という問題も起こります。