パソコンなどの通信端末やアプリケーションソフトを活用し、時間や場所の制約に縛られない働き方を可能としたテレワーク。
介護資格を取得するためには、資格ごとに定められたカリキュラムを受講することが必須ですが、それをテレワークと同じ方式で行うことは可能なのでしょうか。
テレワークの特徴および資格取得に活用できる点
IT技術の進歩および社会情勢に伴うビジネス環境の変化と言った要因から、在宅で業務に当たるテレワークのニーズが現在拡大傾向にある状況と言って宜しいでしょう。
テレワークでは、デスクワークは勿論のこと、オンライン会議など視聴覚的な情報のやり取りをリアルタイムで実行でき、オフィス以外の場所からでも、あたかもオフィスで勤務しているのと同様の働き方が可能です。
このようなテレワークと同じ方式、すなわちIT機器やツールを活用する方式で資格取得に臨む取り組み方は、通信講座という形式で既に多くのスクールにて実施されています。
基本的には、送付または配信された教材やテキストに沿って履修し、わからない点はネットツールを介して質問するというスタイルが取られています。
介護資格をテレワーク方式のみで取得するのは可能か?
では、介護関連の資格取得を目指す場合、テレワークのようにITのみを介する方法で取り組むことは可能なのでしょうか?
答えとしては、資格の種類による、と言えるでしょう。 介護職の多くは、心身的に介助を必要とする方に直接触れ合うお仕事が主となります。
介助を行うにあたって対象者に負担を与えず、尚且つ効率的な介護を行うには、実際に介助のシチュエーションを体験し、自分の身体を使って技術的な側面を体得する必要があります。
テキスト学習のような知識習得を主とした座学のみでは補えない部分があるわけです。 介助がメインとなる介護資格としては、基本的な介護知識およびスキルを身に付けた証明に当たる介護職員初任者研修・基礎的知識およびスキルに加え、一部の医療的ケアを身に付ける介護福祉士実務者研修・介護現場で中心的役割を果たす介護福祉士などが挙げられます。
介護職員初任者研修および介護福祉士実務者研修では実際に講習教室に行って実技講習を受けるスクーリングの課程が設けられ、上位資格に当たる介護福祉士について取得条件として介護もしくは福祉についての実務経験が必要となります。
また介助以外にも、対象者が介護サービスを受けるためのケアプランを作成するケアマネージャーという介護資格が存在します。
こちらも資格取得条件として介護・福祉・医療分野の実務経験を要することとなります。 いずれも資格取得課程においても、実技もしくは実務経験といった実践的な経験を要し、テレワーク方式の受講だけで資格を得るのは不可能というわけです。
テレワーク方式のみで取得可能な介護関連資格とは?
テレワーク形式による講習のみで取得できる介護系の資格としては、介護事務が挙げられるでしょう。
主な役割としてはレセプト作成すなわち介護報酬請求業務に当たり、講習ではそれに関連するスキル獲得を目指すことになります。
デスクワークであるため、テレワーク形式の通信講座のみでも履修可能となるわけです。
新型コロナウイルス感染症に係る介護員養成研修
介護員養成研修(介護職員初任者研修・生活援助従事者研修)の臨時的な取扱いとして、今般の新型コロナウイルス感染症の対応を踏まえ、研修実施主体の都道府県の判断により、修了評価を含め、実技演習を除く全て部分について通信学習の活用による実施とすることも可能としています。
(影響下限りの取扱い) ※令和2年4月30日 厚生労働省老健局振興課発 なお、今般の取扱いの実施にあたっては、これらの研修が再開された場合は、実務に就いた経験等を踏まえ補講を行うことになっています。 気になる方は、介護員養成講座を実施している事業者へ確認してみることをおすすめします。
まとめ
以上のように、IT機器やツールを用いたテレワーク方式の通信講座のみで介護系の資格を取得できるのか検討したところ、以下の結論に達しました。
◆介護福祉士など介助行為が業務のメインとなる資格においては、実技講習もしくは実務経験が必要となるためテレワーク方式のみでは取得不可能
◆レセプト作成を行う介護事務の資格については、デスクワークであるためテレワーク方式のみの講習でも取得可能
参考にしていただければ幸いです。
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