実務者研修教員講習会の内容

将来、介護職を志す人たちに対して介護職員実務者研修の介護過程を指導するのが、介護実務者教員です。現場で経験を積み、これから介護職を志す方たちを教える立場として活躍したい人にとって、指導する立場となります。今回は、実務者研修教員講習会の受講要件や内容について説明しましょう。

実務者研修教員講習会とは?

実務者研修教員とは介護福祉士の法改正により、介護職員実務者研修制度に伴い2016年に誕生しました。介護福祉士国家試験を受験するために実務者研修が必須になったため、それらを指導する教員を養成するために介護職員実務者研修制度が誕生しました。

受講資格

実務者研修教員には2種類あります。下記で講習会の受講資格について説明していきましょう。

【専任教員】
〇実務経験5年以上の介護福祉士であることが要件となります。 また、介護に関する科目を教える資格があり、以下のいずれかが該当することが要件となります。
〇大学で教授、准教授、助教、講師であることが要件となります。
〇養成施設、福祉系高校で3年以上の教師歴があることが要件となります。
〇福祉系高校で5年以上の教師歴があることが要件となります。

【一般教員】
〇一般教員(専任は問わない)では、「介護過程Ⅲ」(スクーリング)及び「医療的ケア」教科を担当するにあたり以下の要件が必要です。
〇介護過程Ⅲは上記の専任教員の要件を満たして、実務者研修教員講習会と実習指導者講習会などを修了していることが要件となります。
〇医療的ケアの場合は、看護師などの資格を持ち5年以上の実務経験があることが要件となります。

カリキュラム

教科項目は3科目で、全ての科目を修了するのに必要な時間はスクーリングを含めて50時間です。7~8日間ほどの通学講座で修了するコースや通信教育もあります。
専任教員や一般教員の2つから選択することが可能です。費用は養成機関によって異なりますが、10万円前後と考えた方がよいでしょう。

実務者研修教員講習会の内容について下記で説明していきましょう。
①介護教育方法→30時間 介護教育における基礎的理論を学びながら、介護福祉教育で応用できる学習内容について学ぶことができます。

②介護課程の展開方法→15時間 実践におけるアセスメントや計画立案・実施・評価に対する具体的な展開方法や演習を通じて学ぶことができます。

③実務者研修の目的・評価方法→5時間 目的や研修の構成、評価に対するあり方を学びながら、教育方法に対する理解を深めていくための教科となります。

なお、受講費用や講座日数、講座の開始日などは、事前に調べるか電話などで問合せするとよいでしょう。

メリット

1.介護人材不足は深刻で、介護職の需要も年々高まっています。介護福祉士の資格保有者も何らかの理由で離職しているのが現状です。5年以上の実務経験を持つ潜在介護福祉士の知識や技術を活かして、現場以外でも活躍することができます。

2.失業中の場合ハローワークから給付制度がありますので、専門実践教育訓練給付金制度を利用するとよいでしょう。教育訓練施設に支払った教育訓練経費の50%相当の給付がもらえます。詳細は最寄りのハローワークへお問合せください。

まとめ

介護福祉士を取得して5年以上の実務経験がある方でしたら、介護を指導するための講習、実務者研修教員講習会を受講してみてはいかがでしょうか。
これから介護福祉士を目指していく介護職員実務者研修を受講する方を対象に、あなた自身が介護の現場で培った経験や知識・技術を指導する機会を持つことができます。
自分の今後のキャリアアップという大きなメリットだけでなく、介護人材の育成にもつながる意義のあることだと思います。