介護の仕事している人でしたら、認知症高齢者の介護に直接携わった経験もあるのではないかと思います。しかし、新卒介護職員の方は、認知症高齢者の対応に戸惑い先輩介護士から教えてもらっていることでしょう。今回は、介護基礎研修の内容やメリットについて説明していきたいと思います。
認知症介護基礎研修とは?
認知症介護の介護事業に勤めている新人介護士向けの研修です。認知症の基礎知識や対応方法を学びます。研修は指定された実施施設で行われ、1日で修了するカリキュラムとなっています。
受講のメリット
認知症介護基礎研修を受講することで得られるメリットを下記に紹介しましょう。
【メリット.1】 認知症介護の基礎知識や技術を学ぶ最初の研修であり、認知症の基礎である知識や技術を学ぶことができる。
【メリット.2】 基礎研修を受講けることで次のステップ、認知症介護実践研修、認知症介護指導者研修とステップアップができ、認知症介護のプロや指導者になることができる。
【メリット.3】 認知症に携わる事業所では、認知症介護基礎研修を修了した人材を置かなければならないという義務があるので、キャリアアップや給与アップが望める。
【メリット.4】 基礎研修を終了していることで、認知症介護事業所に転職するのに有利である。
【メリット.5】 認知症介護事業所にとっては、基礎研修の修了者を配置する義務があり、加算ももらえるメリットがある。 以上のように、認知症介護基礎研修を受講することでメリットが多いことがお分かりになったと思います。
認知症介護基礎研修のカリキュラム
研修カリキュラムの内容は午前の部3時間、午後の部3時間で計6時間の1日研修となります。内容は以下の通りです。
・認知症の人を取り巻く現状
・認知症の人を理解するために必要な基礎的知識
・具体的なケアを提供する時の判断基準となる考え方
・認知症ケアの基礎的技術に関する知識 ・昼食休憩
・認知症の人との基本的なコミュニケー ションの方法
・不適切なケアの理解と回避方法
・病態 / 症状等を理解したケアの選択
・行動 / 心理症状(BPSD)を理解したケア の選択と工夫
・自事業所の状況や自身のこれまでの ケアのふり返り
なお、受講するカリキュラムや時間配分などは、研修を実施する地域などで違ってきますので事前に調べておくとよいでしょう。
認知症介護基礎研修が義務付けられている施設
認知症介護を提供する施設において、認知症介護基礎研修以上の講習を受講した管理者および計画作成担当者を置くことが義務づけられています。下記にて紹介します。
・小規模多機能型居宅介護事業所
・看護小規模多機能型居宅介護事業所
・認知症対応型共同生活介護事業所
・認知症対応型通所介護事業所
なお、認知症対応型通所介護事業所以外の代表者 / 開設者においては、認知症対応型サービス事業開設者研修を受けなければいけません。
まとめ
介護事業所で介護に携わる人にとって、認知症利用者の対応はとても難しいものです。それは、利用者一人ひとりがいろいろな周辺症状(徘徊、もの取られ、妄想、暴言、暴行、介護拒否など)があり、その人に会った対応が求められるからです。 まずは、認知症を知るために基礎研修を受講し、個別の対応ができるようにしたいものです。
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