介護福祉士は、主に介護施設や訪問ヘルパー、障害者施設等で活躍する資格です。その仕事の内容について介護福祉士として施設や在宅で働いた私の体験談をもとに書いてみました。
■身体介護は業務内容の基本となる
ベッドや車いすからの移乗・移動介助、排泄介助、入浴介助、着脱介助、食事介助、清潔保持のための介助等を主に行います。
【身体介護の体験談】
最初介護の仕事についた頃には、素人同然で飛び込んだものですから、先輩職員について手取り足取り介護の基本から教えてもらったものでした。利用者のベッドからの移乗も恐る恐る介助して力任せに行っていたものですから腰痛は日常茶飯事で、後には、ぎっくり腰を数回経験しました。それから慣れてくると「どうしたら腰痛予防ができるか」自分なりに学んで、ボディメカニクスを利用して介助するようになりました。
施設に10年以上も勤めていると、1か月単位で介護福祉士養成校から来る実習生の指導を私が担当することがよくありました。そこで私は、まず利用者は私たちよりずっと先輩で人生経験も豊富にあり、尊厳と敬意をもって介助することを最初に指導しました。
そして、学校では基本でしか学ばないことを実践的な介護を教えるように心がけました。特にボディメカニクスを使って介助することやシーツ交換のコツや食事介助などです。またその他に、実際の現場で大切なことは声掛けであることを伝えました。声掛けは、利用者と信頼関係の構築に必要不可欠であり、時間が空いた時には利用者の話を聞くことで相手に喜んでもらったり感謝されて、その結果、信頼を得てスムーズな介助ができることを教えたものでした。
■身体介護で需要なのが安全な介護
介護職員がどんなに良い介助をしていても、利用者に不快感や苦痛を与える様な介助であっては意味がありません。もし転倒等の重要な事故を起こした場合は、折角のこれまで積み上げてきた介助方法を見直し、今まで以上に安全な介助方法を考えなければいけません。事故防止については、危険に至らないよう予測することが大切です。
■身体介護を通じた気づきを家族と共有し橋渡しや助言を行う
施設において一番多いのは、食事が美味しくないといった訴えです。その他入れ歯の問題や人間関係に関する相談が多くありました。それらの訴えは、いつも一番身近にいる介護福祉士に相談することが多く、利用者からの相談を解決するために時には、橋渡し役の役割も重要な介護福祉士の業務となっています。
■まとめ
平成24年から、それ以前まで医療行為として介護福祉士ができなかった、喀痰吸引や胃ろう管理が一定時間の講習を受けることでできるようになりました。介護福祉士の業務も広がり今後、介護福祉士に求められる資質や知識も常にスキルアップしていかないといけないことでしょう。
しかし、どんなに介護業務が多忙を極めても安全な介助を怠る事はできません。安全第一で業務に取り組むのは介護業界以外にも他の業界でも一緒ではないでしょうか。安心安全な介助をすることを最優先に取り組むことが介助の基本だと考えます。