褥瘡患者さんに必要なのは栄養管理とリハビリではないでしょうか。褥瘡と栄養は密接な関係にあり、栄養管理次第で寝たきりを助長させるのか、改善の道へ導くのか、大きな分かれ目となります。今回は褥瘡と栄養(タンパク質)の関連をみていきましょう。
■栄養不足が褥瘡を助長
褥瘡で発症する最大要因は、栄養の不足や栄養バランスが乱れることで起こる低栄養とされていて我が国のガイドラインにも、『低栄養は褥瘡の危険因子であるため、適切な栄養管理は褥瘡の予防に有効である(AⅡ)』と記載されています。レベルAⅡは絶対に実行するべき重要な事項ということです。褥瘡で着目したい、たんぱく質をみます。
■抑えておきたいアルブミン
褥瘡では水分保持が重要とされていることは誰の目から見ても明らかです。たんぱく質の中でもアルブミンが重要視されるのは水分保持の作用が大きいからです。アルブミンが減少すると血管内部の水分やリンパ球も少なくなり免疫力も下がります。
■理想のアルブミン値
我が国の褥瘡学会では、血清アルブミン値3.5mg/dL以下と定義されています。
■褥瘡患者さんに必要な栄養素の摂取
褥瘡を悪化させないように栄養状態を維持しなければなりません。一般で低栄養を予防する栄養素を参考として、たんぱく質を摂取する目安を記載いたします。
【低栄養を予防するエネルギー摂取目安】
◎体重 1キログラムにつき一日 25キロカロリーから30キロカロリーです。
◎たんぱく質摂取量の目安は、体重1キログラムにつき一日 1.5グラムから2.0グラムです。
◎この中では比較的接種の難しい亜鉛の量の目安は、一日15ミリグラムです。
亜鉛の量が少ないと必要なたんぱく質の合成が出来ないことから、褥瘡にかかる栄養管理はとても重要とされています。サプリメントなどを上手く利用して見るのも一つの手です。
尚、褥瘡を治療する目的での栄養管理はさらに重要度が増します。ガイドラインで必要な栄養素として記載されている項目をきさいしますので参考にしてください。
【褥瘡治療に必要な栄養目安】
◎エネルギー摂取量の目安
体重 1キログラムにつき一日 30キロカロリーから35キロカロリーです。
◎たんぱく質摂取の目安
体重 1キログラムにつき一日1.2グラムから1.5グラムです。
(ガイドライン記載の定義のため褥瘡患者さんの合併症や疾患有無などにより前後します)。
【褥瘡治療に必要なエネルギー摂取の目安】
◎エネルギー摂取量の目安
基礎となるエネルギー消費量の1.5倍以上
◎たんぱく質摂取の目安
必要量に応じたたんぱく質
■褥瘡管理
栄養管理も重要ですが、褥瘡に対する意識改革とリハビリと療法士によるポジショニング指導による道具(器具)を使うことも欠かせません。ポジショニングを有効かつ効果的に行うためにクッションや弊社の販売するリラフィールなどの道具を用いてみるのも良いのではないでしょうか。リラフィールはポジショニングを決めた後効果的な幹部へのマッサージもできます。詳しくはお問合せください。