体の不調を感じたら、それが一過性のものか慢性的なものかによって対処が異なります。あるとき突然に始まった痛みや違和感といった症状は、専門医に診察をしてもらったほうがいいでしょう。
ただ、何か体調が優れない、いつも体が重くてだるい、といった変調や不調は、日々の生活習慣の中に原因が潜んでいることも多いです。
体を正常に機能させるために、まず血行の状態を確認してみましょう。冷えを感じる部分をチェックし、血行をよくするマッサージを取り入れてみましょう。
なんとなく良くないというぼんやりした不調を取り除くことができるかもしれません。
○血行が悪い体をマッサージで代謝促進
血液は全身をめぐって、必要な臓器や部位に栄養を届けて、たまった老廃物を回収する役割をしています。
運動習慣がない人や、疾患・病気によって入院生活が長い人、麻痺や加齢による運動制限がある人は、手足の冷えや肩周りの凝りが現れやすくなります。
●血行促進によって変わるポイントは
血液は体温維持に欠かせません。血液の温かさと、全身に届ける栄養素を元に体が活動することによって、体温は保たれます。十分に栄養を送るのに欠かせない血液が、しっかりと末端まで行き届かなければ「冷え」になります。
冷えた箇所をマッサージすると、その部分が暖かくなって、血行が良くなります。
すると代謝がアップして必要な栄養を取り込みやすくなり、次第に冷えも改善してきます。
体の冷えがお通じトラブルを引き起こしている場合もあります。お腹を暖めると良い腸内細菌が活動をはじめて、腸内環境が良くなります。腸からしっかりと栄養を体に取り込んで、全身に送り届ける環境も整います。
○血行をよくするマッサージの方法
マッサージをするときは、まず「強く押しすぎない」ことがとても重要です。特に冷えがおこって硬直している部分は、強く押すと気持ちよく感じるかもしれません。しかし、毛細血管を断ち切ってしまい、かえって血行が悪くなる原因にもなります。
●リンパに沿って優しく押し流す
血行を促進すると、体の基礎代謝力が上がります。体の疲労物質を取り除いて、スムーズな血流を保つために、大腿部や肩甲骨、わきの下にあるリンパ節に向かって、やさしく押し流すようにマッサージをしましょう。
また、ふくらはぎの筋肉を刺激すると、全身の血流が良くなります。ふくらはぎから腱にかけて冷えが生じる人は、便秘気味の人が多いです。足首の腱から、膝裏、大腿部(足の付け根)にむけて押し流すと、体全体が温まり、腸の調子も良くなります。
ある部分だけを集中してマッサージするのではなく、全身の血行促進に効果があるリンパの流れを意識しながら行うと良いでしょう。