寝たきりの人を看護するときにおこる問題と対策は

寝たきりになる患者の原因は様々ですが、最も多いのが加齢・老化による身体機能の低下でしょう。高齢者人口が増え続ける日本では特に、介護と医療の現場双方で、高齢者の健康と身体機能を経過観察するシーンが増えていくことが予想されます。
寝たきりの人をケアする際に起こりうる問題をしっかり直視して、実務や現場での対応に活かしましょう。


○寝たきりの患者それぞれに個別の対応を
ケアを行うときには、その注意点や問題点を常に意識して、どのようにフォローする必要があるかを日々考えていかねばなりません。
体の状態やメンタルは、日々変わります。画一的なケアでは補うことが難しいということと、行ったケアや反応を客観的にみて、振り返りを重ねることが大切です。

 
●ケアに対する考え方は同じ
寝たきりか否かということだけではなく、疾患の治療や術後のリハビリで完治を目指す人に対しても、ケアやフォローを行う際の考えはどこでも同じです。
最も大切なのは、治療や経過観察をしている患者個人を尊重するということでしょう。目指す最終目標は、より快適な状態や健康な生活を維持するという点につきます。必要な介助を行ながら、患者に寄り添うという気持ちを忘れない様にしましょう。

 
●注意力を保って寝たきりの患者をフォロー
介護や看護を毎日続けていると、日常のなかで繰り返される処置やケアが当たり前になって、注意力を欠くという問題があります。寝たきりの人をお世話するのは、気分的にも体力的にも相当の労力がかかります。画一的なルーティンワークの様にすすめたくなることもあるでしょう。
ただ、寝たきりの人にとっては、充分な介助を受けられない場合、生命維持ができなくなってしまうほど、深刻な問題にもなりえます。一つ一つの看護を丁寧に献身的な気持ちで繰り返し行い、それを積み重ねていくことが当たり前であり非常に大切なことなのです。

 
○トータルケアを行うための問題点
寝たきりの人は、衣食住の全てにおいて介助の手を必要としています。一人の介護人がこの全てを担うことは現実的にみて難しいでしょう。
そこで、看護と介護、補助の役割をチーム内で分担してトータルケアを行うということが多いですが、中でも専門性を求められるのが看護担当です。

 
●包括的に寝たきりの人をフォローする 看護の役割
介護が必要な人の健康状態を、より詳しく観察して、異変を察知することができるのはやはり、医療の専門性に長けた看護担当でしょう。
看護を担当する人は、その処置を行えばいいのではなく、常に体の異変がないか注視し、対応策を考えるためのきっかけとなるポジションにいます。食事やリハビリの中に問題点を探って、医療サイドからの情報を提供して、臨機応変に対応できるようにチーム内で協力することが大切です。他の担当と上手に連携をとりましょう。