リハビリを担当する専門職の中には、OTと呼ばれる作業療法士、PTと呼ばれる理学療法士の他に、STと呼ばれる言語聴覚士がいます。
STとはどんなリハビリを担当する専門職なのでしょうか?また、STになるためには、どんな課程が必要なのでしょうか?見てみましょう!
・STとは?
英語でSpeech-Language-Hearing Therapist(スピーチ・ランゲージ・ヒアリング セラピスト)と言われることから、略して「ST」と呼ばれる作業療法士は、医療従事者(コメディカルスタッフ)の一員で、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)とともにリハビリテーション従事者のひとつです。
STは、「聞く」「話す」「食べる」のスペシャリストと言われ、病気や事故、また生まれつきの障害によって、これらを行うことが難しい人に専門的なサービスを提供して、自分らしい生活を行えるように訓練する専門職です。
病気や怪我をした患者さんへのリハビリといった医療機関だけでなく、最近は高齢者の嚥下障害や食に対する意欲を回復させるためのリハビリなど、介護の分野でのSTの活躍も広がっています。
・STになるには?
STになるためには、国家資格である言語聴覚士国家試験に合格する必要があります。この試験には受験資格が必要で、言語聴覚士の養成課程がある大学か短大、専門学校で3年以上学び、定められた課程を修了した人が受験することができます。
一般の大学を卒業している人であれば、指定の大学か大学院の専攻科、または養成所で2年以上学び、課程を修了することでも受験資格を得ることができます。
国家試験に見事合格すれば、言語聴覚士の資格を得ることができ、言語聴覚士として働く道が開かれますが、様々な患者さんや利用者さんによってリハビリのケースが違うので、知識だけでは通用しないこともあります。
特に、高齢化が進む日本において、高齢者の嚥下障がいなど介護分野での活躍も広がり、STは資格を取得してしまえば良いだけではなく、働きだして経験を積むことや、常に学び続ける姿勢が必要な専門職と言えるでしょう。
・まとめ
「聞く」「話す」、また「食べる」といった機能を回復させることや、発育させるスペシャリストであるSTは国家資格を取得したコメディカルスタッフの一員です。
最近は作業療法士や理学療法士と同様、医療機関だけでなく、介護の分野でも必要とされている専門職です。
そんなSTになるためには、指定の大学か短大、養成学校で学び、課程を修了することで受験できる言語聴覚士国家試験に合格する必要があります。
合格することで、言語聴覚士として働くことはできますが、働きだしてからもリハビリの知識だけでなく、患者さん一人一人に寄り添うことや学び続ける意欲が大事になってくることでしょう。