床ずれの治療と薬 ステロイド剤の使用による注意点は

床ずれの症状には、軽度(初期段階)のものから、入院看護治療が継続的に必要となる重度(深達度の高い段階)のものまで幅広く、その治療方法は一貫したものではありません。
段階に応じて、また全身の健康状態に合わせて、上手に薬とケアを組み合わせながら、基礎疾患の治療を平行しておこわなわなければならず、初期段階で完治させたい皮膚疾患です。


○床ずれに使う治療薬 ステロイド剤
ステロイドという薬の名称を聞いたことがある人もいるでしょう。主に皮膚疾患の治療を目的として処方されることが多いですが、最近では含有量が少ないものは市販薬でも取り扱われる様になりました。

●ステロイドとは何?
ステロイドとは、人間の体内で副腎皮質という臓器によって毎日作られているホルモンの一種です。このステロイドホルモンには、体の炎症反応を沈めて免疫のバランスを保つ効果を保つように働きます。

●ステロイド剤の効能は
人工的に作られたステロイド剤薬は、炎症反応が現れるときに使用する外用薬に含まれているものが多く、塗り薬をはじめ、内服薬や点眼薬、吸入薬など幅広く用いられます。
いずれも期待できる効能は免疫抑制作用と、抗炎症作用です。

●ステロイド剤の抗炎症作用
床ずれを起こすと、皮膚が赤く腫れたりむくんだりします。皮下組織から更に深部に進んだ褥瘡は、脈を打つように疼痛を起こすこともあります。これらのように細胞が傷ついている箇所の修復と改善をする効果がステロイド剤にはあります。

●ステロイドの免疫抑制作用
たとえばアトピー性皮膚炎の様に、特定のアレルゲン(アレルギー物質)に対して過剰に反応してしまう場合に起こる免疫反応を抑えるという効果があります。花粉症も同様です。体に侵入した特定アレルゲンに対する反応を抑えることで、正常な状態を保つ効果を期待しますが、反面、注意しなければならないのが、本来の正常なアレルギー反応に対しても免疫抑制効果が起こる可能性(副作用)があるということです。

 
○床ずれにステロイド剤を用いるときの注意点
ステロイド剤を高い頻度で多用すると、その効果が薄れてくる場合があります。また、ステロイド剤の副作用を恐れて、弱い効能のものを長期にわたって塗っても効果は期待できません。

●効果をあげるステロイドの強さと使用回数を知る
市販・処方されるステロイド剤は全て同じではなく、その強さレベルによって1~5群に分類されます。1群が最も強く、以下段階ごとに効用が弱くなります。
内服薬に含むステロイドは、炎症の程度が強いために体内からステロイドの効能を効かせたほうが良い場合が多く、 医師の処方による投薬が大前提です。
処方や使用頻度は中程度の3群が多いとも言われますが、脚や臀部など皮膚の厚い部分は2群、首や顔面のように皮膚が薄いところには4群で充分…など、用いる体の場所や症状にあった強さを選ぶということが、その効果をあげて副作用を起こさないためにとても大切なのです。
塗りこむのではなく、皮膚を覆うように塗布しましょう。薬をすり込んだり、厚く塗ったりする必要はありません。
ステロイド使用の前に、適量と塗り方、回数などを一度きちんと指導してもらうと安心ですし、上手にステロイド剤と付き合うことができるでしょう。