前頭葉が活発に動くと、やる気がみなぎり前向きな気持ちが湧きあがります。反対に、前頭葉が衰え始めると、「考える・やる気を出す・集中力」というような、日常生活で必要不可欠な行動や意欲に対して、消極的になると言われています。
前頭葉は、大脳の前に位置しており、運動や感情、言語能力をつかさどって人間らしい生活を送るに欠かせない機能をつかさどる器官です。この大切な脳器官を更に活発にするためには、血流を増加させることが有効だとされています。
○前頭葉は運動分野を活性
前頭葉を始めとして、脳全体の血流が促されると脳の機能も高まります。脳には、体を動かすための指令を出す役割や、身体機能を維持する働き、感情や精神をコントロールする役割など、人が人として生活するために必要な要素全てが詰め込まれています。
脳は、常に良い状態の血液を必要としています。頭で考えたり言葉を発したり、体を動かすという言動の一つひとつは、すべて脳内から出る伝達信号によって体が動いている『脳内指令』です。この指令を人間は、寝ても起きても死ぬまで絶えず出し続けています。
休みなく働き続けている脳、特に言動をつかさどる前頭葉には、常に栄養素と酸素の供給が不可欠です。
○血流を増やす・刺激を与える=前頭葉活性
血行を効率よく改善するには、有酸素運動が最適です。体内の温度を上げて、血流がスムーズに行われるようになります。
積極的に体を動かして全身の血流を良くすることで、前頭葉にも充分な血流を送ることができますが、体のいずれかに麻痺症状がある人や、筋力低下・関節拘縮などで動きが制限されるひとは、積極的に全身運動をすることが困難です。
●効果的に前頭葉を刺激するには
前頭葉の血流が不足すると、ボーっとしてしまう時間が増えたり、精神コントロールがマイナスに働いてうつ状態になったりする場合があります。
反対に前頭葉の血流を増やすと、活動能力を上げて活性化します。この活性化を引き出すには、指先を使う作業が効果的だといわれます。
指先を使うと、脳もその動きに合わせて活性化して働きます。しかも、頭で考えていることをそのままひとつずつ行う指作業ではなく、複数の工程を同時にこなす料理や、目で文字を追いながら内容を考える読書、楽器の演奏など、頭で考えながらいろんな動きを取り入れる作業が、前頭葉の活性化に繋がります。
複雑な作業を意識的に取り入れることで、前頭葉に血流が集中しやすくなります。活性を促すことで血液を集め、さらに集中した作業がスムーズにこなせるようになります。
園芸やヨガ、絵を描くという作業も、イメージと指先や体を動かす作業としてとても有効です。毎日の生活に少しずつこれらの作業を取り入れて、前頭葉への血流を増やし、はつらつとした生活を送りましょう。